TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

単行本『訴歌(そか)』のこと

 「ハンセン病患者が詠んだ思い 単行本に」
 こんな見出しが本日の朝日新聞夕刊(2021年6月28日)のトップ記事にでていた。

 「あなたはきっと橋を渡って来てくれる―そんな副題のついた単行本「訴歌」が、稿星社という出版社からえでた。全国のハンセン病療養所で詠まれた短歌はや俳句、川柳約3300が収録されている。差別や偏見を受け、隔離生活を強いられた患者たちの喜怒哀楽が詰まった一冊だという。

 「世に絶ゆるらい者と思へば後の世に生けるしるしの歌ぞ残さむ」

 企画・編集をしたのは、編集者の阿倍正子さん(70歳)。阿倍さんは、6年前に三省堂を退職し、俳句・短歌の辞典づくりをする中で、「ハンセン病文学全集」(こうせいしゃ 全10巻)に収められた短歌や俳句に出会った。この全集を素材に、阿部さんが「訴歌」を編集したのんだという。
 阿部さんは、三省堂を退職してから、個人で「短歌、俳句」のユニークな辞典を作った人ではなかったろうか?

 記録と記憶のためにまとめてみた。
 

ハンセン病をめぐる動き■

 1907年 「らい予防に関する件」(法律)制定
 1909年 全国5カ所の公立療養所開設
 1931年 「らい予防法」制定。患者は全国13カ所の療養所に収容された。
 1943年 米国で治療薬「プロミン」の効果が発表される 
 1953年 「らい予防法制定」「強制隔離」の残したまま、患者の動くこと入所者の外出が禁止に。
 1996年 「らい予防法」廃止。
 1998年 「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟を療養所の入所者らが熊本地裁に起こす。
 2001年 熊本地裁が、原告勝訴の判決。国は控訴せず。
 2016年 元患者家族らが患者の強制隔離政策で差別を受けたなどとして国家賠償を求め熊本地裁に提訴した。
 2019年 熊本地裁が国の責任を認め、国家に賠償を命ずる判決。