差別と偏見の歴史 同後世にー全国の国立ハンセン病療養所

 神谷美恵子全集を30数年ほど前に買った。みすず書房から出ている。神谷美恵子さんといえば、瀬戸内の長島愛生園での経験を経て医師になった類まれな人だ。樹木希林さんの映画「あん」の主人公は、東村村山の多磨全生園に住んでいたハンセン病の患者だ。全生園といえば、北条民雄の小説『命の初夜』を思い起こす。

 本日は、標題のような記事が朝日新聞(2020年10月27日)に出ていたのを読んだ。記憶と記録のために概要を纏めておきたい。この記事は、上田学さんの署名記事だ。
 <「らい予防法」が廃止されて20年が経つ。らい予防法は、1953年8月15日にされ、1996年に4月1日に廃止された。ハンセン病の患者らが暮らす国立療養所は青森から沖縄まで全国に13施設ある。患者はかって「ハンセン病は感染力が高い」という誤った認識などから、山奥や離島にある療養所に隔離された。戦後も世界の国々は隔離政策を相次いで廃止したのに、日本では継続してきた。1950年代のピーク時に、入所者は計1万2千人に上ったという。その後、死亡や退所などで減り、厚生労働省によると今年5月現在、1090人、平均年齢、86.3歳となった。そこで、療養所を世界遺産に登録しようと運動を進めているのが、岡山県瀬戸内市の長島愛生園と邑久光明園、高松市の大島青松園だという。隔離の歴史を伝える史跡は老朽化し、体験を伝える語り部も年々減少している。1930年に開園した愛生園は日本で最初の国立療養所で、患者が消毒や検査を受けた回春寮(収容所)や逃亡者を園長権限で拘束した官房などが残る。同じ島にある光明園には、患者と職員で別だった二つの桟橋や逃走・賭博をした人を閉じ込めた監禁室がある。・・・・・愛生園歴史館学芸員の田村朋久さん(43)は「今後も別の感染症が出てきた時に、私たちが同じ過ちを犯さないように、未来への警鐘を鳴らすために残すべきだ」と話しているという。>