TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「患者の人生を丸ごと支える糖尿病診療」ってなんだ!?

 私は「糖尿病」を持っている。なんで私が「糖尿病」になんかなったのだ。食痴で味盲の私がなぜ。まず「食痴」などという日本語があるのだろうか?ネットで調べると、「食痴」なる熟語はないようだ。「痴食」という映画が2002年頃に出ている。ともあれ私はグルメの反対で、貧しい家に育ったのて「食べるものは何でも美味しい」のだ。「空腹に不味いものなし」を地でいっている。この私がC型肝炎の経過観察を行っていた2005年に、血糖値の高値を指摘された。C型肝炎治療の経過観察と並行して糖尿病代謝内科受診を続けることとなった。2005年~2007年くらいまでは運動療法と食事で経過をみてきたが、2007年ころ途中からグリミクロン(SU薬)の処方を受けた。それ以来、12~13年は薬を飲み続けている。今年2020年の1月末に4泊5日で沖縄(那覇)に旅した。連日、ステーキを食してビールを飲んで過ごしてきた。2020年2月4日、3カ月ぶりに東大糖尿病代謝内科を受診した。すると血糖値の指標であるHbA1c が、8.3 と高値であった。「どうしたんですか?」と主治医はいった。2019年11月12日の受診におけるHbA1c が、7.4 から一気に高くなったのだ。これでは、いかんと一念発起して、毎日の歩行(7000歩以上)と、合気道の稽古、毎日の踵落としと木刀振りを励行した。すると、幸いにも、5月19日(7.5)、6月17日(7.2)、8月11日(7.0)、11月10日(7.0)とこの9ヶ月間は順調に子ントロールができた。かつて、C型肝炎インターフェロンフリーの服薬をしていた折に、糖尿病の管理も上手くいって数値が下がっていた経験がある。C型肝炎治療中は禁酒していたので体重も下がり気味で結果的に血糖管理が上手くいっていたようだ。

 ■患者の人生を丸ごと支える糖尿病診療■
 先日届いた医学界新聞第3398号(2020年11月30日)に、「患者の人生を丸ごと支える糖尿病診療」という対談が載っていたのを興味深く読んだ。「プライマリ・ケア領域におけっるcommon diseaseの一つである糖尿病は、医学の発達で治療の選択肢が広がり、患者の生活領域で治療される慢性疾患に位置付けられている」と対談のリードに書いてあった。糖尿病は、なってしまったら、治すのではなく抱えて共に生きていく病気である。対談者は、岡崎研太郎さん(名古屋大学医学系研究科)と三澤美和さん(大阪医科大学祖須郷診療科)の二人である。

 「岡崎 療養行動によってコントロール可能な慢性疾患である糖尿病は、「ヴァーチャルな病気」とも言われます。

 対談の冒頭で、岡崎さんがこう切り出している。「ヴァーチャル「」って何だということになる。実態がよくわからないという意味だろうか。実際、「糖尿病」といわれても自覚症状は全くない。とくに初期の軽い場合はそうである。私の場合も、とくに身体がだるいとか、のどが渇いてくるとかはほとんどない。夕方、「空腹感が強い」ことがある。もしかしたら、これは、「低血糖」のためで、糖尿病のためかもしれない。それも実際はよくわからない。まさに、「ヴァーチャルな病気」ということなのだろうか。岡崎さんは、「ヴァーチャル」に注を付けていた。「石井均:病をひきうけられない人々のケア、2015、医学書院、P.56」が参考文献にあげられていた。「ヴァーチャルな病気」は、石井先生の本に書いてあるのだ。ここで分かった。岡崎さんは、石井先生のお弟子さんなのだ。1993年に京大医学部を卒業して、天理よろづ相談所病院にて研修をしている。

 対談の中で、役に立ちそうな箇所を引用する。
岡崎 医師が患者さんと向き合う時間は月に1回、約10分として、1年でわずか120分にすぎません。生活習慣の全てを把握するのは当然できないため、今日何を食べて、どう運動するか、しないかは、全て患者さんの判断に委ねられることになります。
 三澤 そこが糖尿病診療ならではの特徴ですよね。糖尿病の患者さんは、9割が ”自分が主治医”。本人次第との自覚を短い時間でいかに引き出せるかが重要です。

 上記の発言は、雑誌「糖尿病診療マスター」の編集委員であった石井均先生の主張してきたことである。なるほど、糖尿病医療に石井さんの主張が根を伸ばしてきたようだ。
 ところで、上記の対談は、『まるわかり糖尿病塾(編集:三澤美和・岡崎研太郎)』の宣伝のためだと知った。そうはいっても、なかなか興味深いので今度手にとってみたい。私自身の糖尿病ケアと管理のためにも。私の糖尿病の管理は2・5ヵ月に1回の受診なので1年には4~5回となる。1回の診療が5分くらいなので、私が主治医と話すのは、年間に30分位である。それも、主治医は血液鑑査結果の数値の推移に基づいて判断しているだけである。「患者の人生を丸ごとささえる」とは程遠い。それでも、若い糖尿病診療に携わる医師が、今回のタイトルのような考えをしてくれるのは嬉しい。