TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『新型コロナー7つの謎』(宮坂昌之)を読んで思うこと

 『新型コロナー7つの謎』を12月30日から読みはじめて本日(1月4日)に読み終えた。この本は、新型コロナウイルスについて、現時点では正確にかつ分かりやすく解説している。優れた啓蒙科学書である。新型コロナウイルスを正しく惧れて対処していくために有益情報を提供してくれた。

 <ウイルスが呼吸器医系に感染すると、いわゆる風邪症状が見られるようになります。鼻づまり、鼻水、のどの痛み、咳、寒気、頭痛なのです。いずれも、自然免疫の反応として作られるI型インターフェロンや、IL-1,IL-6,TNFαなどの炎症性サイトカインによるものです。・・・・・ところが、新型コロナウイルス感染症では、これとは明らかに様子が違います。感染後に症状がほぼない人が半分ぐらいいて、このため、学校や仕事をあまり休まないので、行った先で感染を広げてしまうことがよくあるのです。>
 上記は、「第3章 免疫VS.ウイルス なぜかくも症状に個人差があるのか」の記述から引いた。感染のメカニズムは略したが、とにもかくにも感染しても症状がでない人が多いというのは驚きである。インフルエンザのように症状が顕著であれば、本人は休んで伏せって外にはでていかない。ところが症状が一切ないとなると、本人は知らずに他の人に感染を広めてしまう。ということは、自分も既に感染しているかもしれないという自覚を持たなくてはいけないことになる。手洗いはもとより、マスクは自分を守るためのみならず、他の人に移さないためである、となる。

 <新型コロナウイルス感染症の困った点は、一部の人に重症化が見られ、特に肥満や高血圧、高尿酸血症などの合併症があると、重症化のリスクが高くなり、最後に生命の危険に瀕することがあることです。特に、高齢者でしばしば見られます。・・・・・重症化の際には、本来はウイルスを排除するために必要な免疫機構がうまく働かなくなっているようです。それどころか、免疫細胞が刺激されすぎて、結果として、「免疫が暴走する」ということ(サイトカインストーム)がおきているようです。>
 ここでは、「第6章 免疫の暴走はなぜ起きるのか」から引いた。この章では、新型コロナウイルス感染によって、身体のなかでどのようなことが起こるかを解説している。「一部の人に重症化が見られ、・・」が曲者である。高齢(73歳)で糖尿病の私の場合は感染したら重症しやすい中に入るのである。
 「第7章 有効なワクチンを短期間に開発できるのか」では、ワクチン開発の方法について詳述している。この本の、脱稿は2020年10月である。その1か月後の、11月には、米国のファイザーとドイツのビオンテックが共同で開発した新型コロナウイルスRNAワクチンが承認された。すでに、英国、米国他で接種が始まっている現状は既にこのブログでも触れた。ただ、新型コロナウイルスワクチンを接種しても、必ずしも中和抗体(善玉抗体)だけができるわけではないことも説明されている。ワクチンとても全能ではないのだ。ワクチンができれば全て解決ではないという事実を知っておきたい。 
 宮坂さんは、新型コロナウイルスに関して、「正しく理解する」ことが必要で、そうすることにより、「むやみにこわがるはずはないはず」と強調。「21世紀のパンデミックを引き起こした強敵にわれわれはどう立ち向かったらいいのか、正面から取り組んでみたいと思います。」と、本書のプロローグで書いていた。
 折しも、令和3年に入って、新型コロナウイルス感染はさらに拡大している。東京都と隣接の3県(埼玉、千葉、神奈川)の感染増加が著しく全国の半数を数える。このなかで、4都県では飲み屋(レストラン、食堂)などの閉店時間を午後10時から午後8時までにする政府要請を受け入れる。さらに、政府は緊急事態宣言の発令を週内にも実施する検討に入っている。
 いま、私にとって「正しくおそれるとはどうすることか」を考えている。合気道の稽古が、再び中止になった。これは実はつらい。糖尿病を管理するために、有酸素運動と血糖値管理のために食事管理しかない。つまり、酒を断って素面で生きるきるにしくはない。これでもっと本が読めることに感謝しよう。