TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

ミヤザワケンジ・グレイテストヒッツ(高橋源一郎)を読み終えた

 「ミヤザワケンジ・グレイテストヒッツ」を読み終えた。全くこれまでの読書体験とは異なるものだった。一つ一つが短編作品として、雑誌「スバル」に連載されたものだ。その作品群を一つに纏めて単行本にしたのが、「ミヤザワケンジ・グレイテストヒッツ」になる。初出時には、「ミヤザワケンジ全集」という括りだったらしい。高橋さんは、「宮澤賢治」を読んで想をえて書いたものなのだろう。ところが、一つ一つの作品は文体までが殆ど異なっている。「何だこれ」と思いなが全部を読み終えてしまった。最後の2編「A-12 ざしき童子のはなし」と「B-12 水仙月の四日」の二作品は、それまでと違って話が宮澤賢治の童話世界のような書き方だ。Aのほうは、多分、自閉症と見られる少年のお話。Bのほうは、雪童子(ゆきわらす)が主人公なのだが、こちらも心を病んだ少年の話のようにも思える。同じタイトルの宮澤賢治の童話があるのだろうか?
 とにもかくにも、高橋源一郎という作家は興味深い。『さようなら、ギャングたち」(1981年)と、『日本文学盛衰史』(2002年)を探して読んでみたい。後者は文学史の本かと思っていたら違う。昨日、本屋で少し見てきたら、啄木の話や、途中で横書きの部分があったりして、かなり分厚い。これも面白そうである。読書はやはり連鎖する。