TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

福岡伸一さんと考える「コロナ時代の生き方」ーー新型コロナウイルスは戻ってきた友達なんです

 朝日新聞が、「Reライフ人生充実Festival @home」という企画を始めた。今日の12時15分から、生物学者福岡伸一さんが登場し<コロナ時代をどういきるか~ウイルスとの「動的平衡」>のテーまで話したようだ。見逃したので、あとで見逃し再聴に挑戦したい。ここでは、新聞の記事から概要をまとめておきたい。新型コロナウイルスに関しては、福岡さんの捉え方が一番正鵠をついている。それはこういうことだ。

 <ウイルスは構造が単純なので、生命が誕生した38億年前から存在していたと勘違いされがちだが、実は私たち多細胞生物が生まれてから現れた。私たちの細胞の中にるゲノムの一部がちぎれとんだ「私たちの遺伝子のかけら」がウイルスなのだという。生命は、通常、親から子、孫へと垂直に遺伝子を伝えて行くが、ウイルスは水平に遺伝情報を渡し、しかも種を超えて伝えることができる。いわば遺伝情報の「運び屋」として生体の間を渡り歩いている。ウイルスは大半が無害で、自ら移動することができない。だから新型コロナウイルスも人間が運び、人間が増やして広めている。>

 福岡さんの上記の解説を読むと、ウイルスが仲間のように思えてくる。私が20数年にわたって共に生きてきたC型肝炎ウイルスも私の一部分であったのだ。

 ■動的平衡の概念
 「私たちは現代科学の『機械論的な生命観』にどっぷりとつかっているが、それは生命の本質ではないのではないかという問題意識から、思索を重ねてたどり着いたのが、福岡さんの「動的平衡」というキーワードだ。生物学がたどり着いた「還元主義」を超えたところからの着眼だ。「変わらないために絶え間なく変わる」という、一見、逆説的にも思えるこのバランスこそが、生命の本質であると福岡さんは説く。
 「動的平衡」は、「生命とは何か」を考えるキーワードとして福岡さんが提唱した。絶え間なく少しずつ入れ替わりながら、しかし全体としては統一を端持っているーという生命観だ。

 ■ウイルスとは何か
 細胞の大きさがサッカーボールなら、ウイルスはゴマ粒ひとつくらいの大きさだ。光学顕微鏡でも見えず、高倍率の電子顕微鏡でなければその姿を捉えられない。

 <私たちの細胞の中にるゲノムの一部がちぎれとんだ「私たちの遺伝子のかけら」がウイルスなのだ>とすれば、ウイルスは本来、私たちを含む大きな生命圏の一部で、完全に撲滅したり、排除したりすることはできない。福岡さんはさらに言う、「コロナ禍におけるウイルスとの戦争とというイメージは、生物学的には好ましくない。というより、ウイルスが生命圏の一部とするなら仲間内の喧嘩になっているのである。

 ■目指すゴールは■

 それでは、私たちは新型コロナウイルスにどう対処していったらよいのだろう。福岡さんはこのように言う。
 <ウイルスを、「正しく畏れる」ことに尽きる。>自然の一部であるウイルスに対して畏敬の念を持つのと同時に、自分自身の体の免疫システムを信ずることが大切だという。
 <人間とウイルスとの間に「動的平衡」を成立させるには、このウイルスにかかって回復した人が増え、ワクチンが普及することで集団の中に免疫が広がる。人間の側の免疫システムがウイルスに対する平衡状態を獲得することで、このウイルスを乗り越え、日常的なものとして受容できる状態に達するのだという。一方、恐れられていた新型コロナウイルスもやがて「新型」ではなくない、通常の風邪ウイルスのひとつになっていく。「長い時間軸で、リスクを受容しながらウイルスとの動的平衡を目指すしかない」。