TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

瀬戸内寂聴『花芯』と桜木紫乃『ホテルローヤル』を同時に読んだ

『花芯』は読み応えのあるよい小説であった。チョット、自伝的な要素もあって、女時代の晴美さんの小説だ。子どもを捨てて、若い男に走って、その若い男も捨てて(というより男が逃げた)小説に生きてきた。作家の井上光晴との出会いはその後なのだろうか?ともあれ、『花芯』を読むと、己が男の風上にも置けない「小男」と自覚する。
 『ホテルローヤル』もひとの哀しい物語である。「女は股を開いていれば生きていける」と母から言われて育ってきた女が主人公だったりする。産んで育てたこどもよりも、流した子どもの数の方が多い女の生きざまが描かれていたりする。桜木紫乃さんも、「性愛作家」とか言われたこともあったらしい。この私よりも、15歳若い作家は、やはり人間を描いていると思う。『それを愛とは呼ばず』という本を借りてきた。これも女を通して人を描いているのだろう。