<ようやっと舶来ものを三度打ついまだ国産出来ぬワクチン(春日部市 斉藤利彦)>
<弟の秘密基地には「そうすけのひみつきち」ってかん板がある(奈良市 山添 葵)>⇒馬場あき子:
「第二首は輸入品のワクチンを舶来と言い換え、近代を超えていない現実を指摘。」と馬場さんがコメントしている。ただ、この世相歌は感動を呼ぶ歌だろうか? 「近代を超えていない現実」というコメントもピンと外れだ。新型コロナのワクチン開発は遺伝子工学の成果である。日本がワクチンを蔑ろにしてきた結果に過ぎない。
<受診してカウンセラーの話聴く言いたいことを話せよ私(川崎市 松浦元子)>⇒佐佐木幸綱選:「励ます自分と励まされる自分」と佐佐木さんがコメントしている。作者の松浦さんは、歌で辛い気分を乗り越えて強く生きているんだと思う。
<あの日どこにいらしたと問えば誰にでもあの日があって十一年過ぐ(東京都 西出和代)>⇒高野公彦、永田和宏共選:
3.11は、誰にでもあの日であった。
<人間の死亡率は100パーセント早いか遅いかどんな形か(神戸市 川村睦月)>⇒永田和宏選: あたりまえのことも歌になるんだ、と知った。
今日の一押しは、下記の西出さんの歌にした。
あの日どこにいらしたと問えば誰にでもあの日があって十一年過ぐ(東京都 西出和代)