TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

ふるさとと文学2021〜有吉佐和子の和歌山ー紀ノ川から流れ出た社会は作家の歴程

 日本ペンクラブのシリーズ企画ふるさと文学の第7 回は、有吉佐和子の和歌山というテーマで、2021年11月3日に、和歌山市で開かれた。2020年の ふるさとと文学 第6回 北條民雄と多磨全生園は、新型コロナウイルスの影響で、無観客で開かれた。多磨全生園は、前に住んでいた清瀬市(所在地は東村山市だが駅は清瀬が近い)にあるのと最近の映画「あん」の舞台でもあるので興味がありズームで参加した。
 今回の第7回「有吉佐和子の和歌山」は観客も会場に入れて、「紀伊国和歌山文化祭2021」の一環として開かれた。和歌山は、南方熊楠の故郷であり、合気道開祖の植芝盛平の出身地でもある。熊野古道も歩いてみたいと思いながらはたしていない。新型コロナが落ち着いたらと言っていたら間に合わないかも知れない。残念ながら参加は叶わなかったが、昨日、送られてきた日本ペンクラブの会報に概要が載っていたので、記憶と記録のために、「有吉佐和子の和歌山」に触れてみた。2021年は、有吉佐和子の生誕90年にあたるのだと言う。有吉さんといえば、『華岡青洲の妻』が有名である。華岡青洲は、江戸時代の外科医で、世界で初めて全身麻酔を用いた手術でを成功させたことで知られる。欧米で全身麻酔による手術が行われたのは、青洲の手術から40年後だと言う。有吉さんの小説『華岡青洲の妻』は、1966年に発表された。翌、1967年にこの作品で、有吉さんは第6回女流文学賞をした。華岡青洲については、確か吉村 昭さんの『日本医家伝』にも入っていたのでは? 有吉さんといえば、『恍惚の人』が、書き下ろしで新潮社から昭和47年に出版され、センセーショナルなタイトルで一世を風靡した。今ではボケ老人を認知症と呼んでいるのだから、「恍惚の人」なんて言うのは、タブーかもしれない。この本は、随分前に古本屋で買って持っている。まだ読んでいない。自らを認識するために勇気を出して読んでみたい。有吉さんは、1931年生まれで、1984年に53歳でなくなっている。随分、若くして逝去されているのに驚いた。
 第7回「有吉佐和子の和歌山」では、第二部で「和歌山に生まれ、和歌山を愛し、和歌山も日本も超えて活躍した作家」と言うシンポジウムが開かれた。これに有吉さんの長女の有吉玉青さん(大阪芸術大学教授)も参加していた。玉青さんが、『複合汚染』連載時(1974年(に触れてこんなことを言っていた。
「『複合汚染』は私にとって楽しい思い出の小説だ。家で母と一緒に過ごした時間は短かったが、連載時は一緒に庭で、トマト、なす、レタスなどの野菜を作った。社会への意識は社会派と言われる以前の若い時の作品から背景にある。作品の主人公のプロテストの精神や生き方からそう思う。」
 有吉さんの本を読みたくなってきた。今回も記憶と記録のために、ペンクラブ会報に触発されて、書いておいた。