小田原諏訪野原公園に先日遊びに行った。小田原は富士フィルムの会社がある。その折に日本ペンクラブの電子文藝館で一緒だった村山精一さんのことを想い起した。村山さんは北海道赤平かどこかの出身で詩人だ。1949年生まれなので私よりも2歳くらい若い。「帰京」とか幾つかの詩集も出しているらしい。読んだことがない。印象としては良い男だ。詩人であり東京工業大学をでて富士フィルムで働いていたらしい。東工大というと吉本隆明と同じではないか。
大岡信さんて詩人なんだけれど「淋しいひとではない。ので私の中では詩人ではない。詩人は中原中也や石川啄木とか、寂しく不幸なひとが相応しいような気がする。大岡信さんは初恋の女性と結婚して、生まれた子どもの大岡何とかさんも作家になっている。そんな幸せそうな人が詩人でいいのだろうか?私って僻みッポい根性の曲がった男なんだ。
<多様な芸術領域に大きな足跡を残した詩人の大岡信さんをたたえる「大岡信賞」(朝日新聞社・明治大学共催)の選考会が一月に開かれ、詩人の野村喜和夫さん(71)が第4回受賞者に決まった。厳しい時代にあっての詩の力や、「うた」の担い手として評価されたことへの思いを語ってもらった。>
興味をもったので、朝日新聞の記事(2023年2月21日、朝刊)から記述しておきたい。
野村さんの受賞理由は以下だ。
<2022年刊行の詩集「美しい人生」(港の人)における、光と音の魅力が際立つ円熟した成果、および長年にわたり、現代詩を牽引してきた創作活動に対して。>
「美しい人生」という詩集を読んでみたい。それにしても、ダサいタイトルだね。
記事は、田中瞳子さんの署名記事だ。
<最初は、悪い冗談のつもりだった。
最新詩集「美しい人生」では、タイトル通り「美しい人生」というフレーズが繰り返される。生を肯定する力に満ちた一冊。だが、野村さんは「人生なんて美しくない、というアイロニーを込めて書きはじめた」と話す。>
<収録作品を書いていくうちに「人生は美しいのかもしれない」と思いが変化していった。書いたものに自らが引き寄せられていく。テーマが変わっていく。「それが書くことの魅力であり、わなです」
<さあ窓をあけて 人生を投げて 何も起こらないすてきな日を 始めよう>
(「1 (人生も投げればーーー)」から)
面白い記事を見つけた。実際に、詩集を読んでみよう。