TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

福岡伸一さんの『もう牛を食べ手も安心か』(文春新書)を読んで

 『もう牛を食べても安心か』を読み終えた。この本は、平成16年(2004)年に出た本である。タイトルは一般に目を惹くように付けられっているが内容はかなり深く読みこなすのには力がいった。中身は、狂牛病の発生から、プリオン説、プリオンタンパクとはなにかを文献に基づき解説している。この本が、書かれた2004年から18年の歳月が流れている。狂牛病は、現在、どんな状況になっているのだろうか?そして、プリオン病はどうなっているのか、が気になるところである。この本の、はじめには、こう書いてある。「環境からの揺り戻しー生命は「流れ」の中にある。」そして、おわりには、こう書いてある。「自然が開始したリベンジ、全てのものは繋がっている。」
 実は、福岡さんは、この本でも、シェーンハイマーのい「動的平衡」のことを書いているのだ。
 〈動物とヒトの界面にこれまでなかったような病気が現れる。あるいは、単一でほとんど問題とならなかったごく微量の化学物質が複合的に作用して予期せぬ問題を引き起こす。操作が新しい操作を必要とする事態を引き起こす。現在、私たちが悩まされているほとんどの問題はすべて、人為的な操作に対して環境がその平衡回復するために揺り戻しをかけている、その揺らぎそのものであると言ってよい。ルドルフ シェーンハイマーが数十年前に見出し、そして今、再び、狂牛病禍が我々に問いかけているもの、それは全く同じである。分子は流れ、私たちをとおり抜け、留まることがない。〉

 上に引用した中の、「狂牛病禍」を「新型コロナウイルス禍」と入れ替えても意味が通ずるのは驚きである。 

 ついでに本の広告を記憶と記録に追加しておく。
本要約チャンネル著『読むだけで終わりにしない読書術』 アスコム 1320円