山下さんは、倉本聰の劇団富良野塾の出身の方だ。2017年に芥川賞を受賞した「新世界」は富良野塾を受験して採用されて修業中の自伝的な話だった。昨年、雑誌で読んだ小説は、句読点がひとつもなくて何がなんだか分からない小説だった。鬼才なんだと思う。『緑のさる』(平凡社、2013年)』がデビュー作なんだという。標記の本の紹介を金原ひとみさんが書いていた。
「不思議な小説だ。読み始めてすぐに思う。これはちょっとおかしい小説だ。読み進めるうちにそう確信する。いや、これを可笑しいと感じる私がおかしいんかもしれない。しだいに己を疑い始める。というよりこれをおかしいと感じる人間を大量生産した社会がおかしいんかもしれない。疑いの目は次第に広範囲に向けられる。 (略)
読み終えた時残ったのは、「生きた」という初めての感想だった。」
この書評の副題には「摑み所ない言葉の連なりの中で」とあった。読んでみたい。
上記は、2022年6月4日(土)の文化欄に乗っていた。同じ面に和田秀樹さんの別の本の広告が載っていた、『70歳は老化の分かれ道』(詩想社、1100)だ。興味深い。「70代は老いと闘えるチャンスだ」「70代に身につける習慣がそのごの人生を救う」「長生きをしたければダイエットをしてはいけない」「血圧、血糖値をコントロールしすぎない」等々。面白そうだ。
『我慢して生きるほど人生は長くない(鈴木裕介、アスコム、1,430円)。本屋でちょっとみてみたい。著者は心療内科医のようだ。