『奴隷の寓話 私の作家遍歴 Ⅲ(小島信夫)』を読み終えた。
<これで『黄金の女達』『最後の講義』『奴隷の寓話』の三巻が刊行されたことになる。・・・・・雑誌「潮」に六、七年間にわたって連載さrふぇたものである。途中、都合によって二カばかり中断したことがはあるが、そのほかは毎月続けあ。・・・・・・しかし、この長い期間、行きつくひまもなくつづけさせてもらったおかげで、わたしなりの想像力の火が消えるひまがなく、そのうちに風も起こってだんだん燃えていくような気がした。。。。。>
「あとがき」から引いてみた。雑誌の連載からまとめた単行本なのである。小島さんは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)から始めてシェークスピア、セルバンテエスの「ドン・キホーテ」にあそび、最後はゴーゴリ、ドストエフスキー、チェーホフ、トルストイと主にロシアの文学者と小説の世界をまるで自らもさんかするかのごとく読みこなした。長い引用が多い。こういう書き方もいいのだという思いがした。随分、後輩の高橋源一郎さんという作家も同じように長い引用をしているので地の文章と引用の文章が一体となっているような書き方だ。これは目から鱗の読書法であり書き方である。今後、私の読み方に応用していきたいと思う。文学に遊ぶのである。
さて、本日の合気道の土曜稽古は、「下実上虚を唱え美しい楽しい稽古」を目指した。肩取りからの技を習練した。幾分かは理想に近ついたと思う。