TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

気になる本『この父ありて』(梯久美子さん)のこと

 梯さんのお名前は島尾敏雄の奥さんの島尾みほさんを書いた本で知った。梯さんの本を読んでから肝腎の『死の棘』を、前に買って納めていた本棚から引き出して、読了した始末だった。

 さて、新聞記事にこうでていた。
 <ノンフィクション作家の梯久美子さんが、昭和に生きた女性作家と父の関係を描いた『この父ありて』(文藝春秋)を出した。田辺聖子石垣りん、渡邊和子ら9人の作家が父親を捉え直し、書き記すことで、自分の人生を築いていく姿を見つめている。>

 実に面白そうな本だ。「ノンフィクション」という肩書はなんなのだろう。「小説」(フィクション)ではないという、意味なんだろうが。いわゆる「私小説」という分野は、ほとんど「ノンフィクション」みたいなものだ。逆に言うと梯さんの書かれた『狂う人』も、『死の棘』を読み込んで取材して書いているのだが、「ノンフィクション」というより「死の棘をめぐる物語」という一つの小説なんだ、と私は読んで思った。

 <日中戦争が起きた翌年に17歳だったりんは、4度目の結婚を決めたという父に「そんあに(女が)欲しいの?」と言い放つ。(括弧内は私が追加した)14歳から銀行で働き、半身不随の父に代わり、6人家族を支えた。「父と義母があんまり仲が良いので、鼻をつまみたくなるのだ」という詩を発表している。>

 この記事は真田香菜子さんという記者の署名記事だ。新聞は署名記事が面白い(朝日新聞夕刊、2023年月4日)

 梯さんの本と石垣りんさんの詩集を読んでみたくなったので記録した。