TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

医学分野の朝日賞 真野博行 さんの業績について

 医学分野の朝日賞に選ばれた真野博行さん(国立がんセンター研究所長)の受賞理由は、「肺がんの融合遺伝子の発見とがんゲノム医療の先導」だという。興味をもったので、朝日新聞(元旦30面)の記事から纏めておきたい。

<それぞれ別の遺伝子の一部が入れ替わって融合し、がんの原因になる。(これって、ポイント・ミューテーションっていうんだったっけ?)白血病など血液がんでは知られていた現象だったが、肺がんの原因となる融合遺伝子「EML4-ALK」を発見して、固形がんでも同じ現象が起きると証明。2007年に論文発表した。>
 2007年というと15年も前のことだ。当時は、雑誌や新聞でも大きく報道されていたのだろうか?知らなかった。

<米国の製薬会社がこの遺伝子を標的とした新薬の治験をしていた2008年、治験を実施中であった韓国の病院へ、20代の男性患者を送り出した。食事がとれないほど病状は悪かったが、治験後、自由に歩き回れるまで回復した。>
 こんな画期的なニュースを見逃していたんだろうか?あるいは、治験なので当時余り大きく報道されなかったのか?

<薬は、米国で2011年、2012年には日本でも承認された。耐性ができることが分かり、それに対応した第2、第3世代の薬も出ている。>

<融合遺伝子の発見と薬の実用化が契機となり、欧米で勢いづいていた、がんを遺伝子ごとに分類する考え方を日本で提唱。原因遺伝子を調べ治療につなげる「がんゲノム医療」の制度設計に関わり、2019年に公的医療保険の対象となった。遺伝子を調べる検査は、すでに4万人以上が利用し、治療につながったケースも報告されている。>
 (米田悠一郎さんの記事よりまとめた)

<コメント>
 がんが遺伝子の病気であることは、私が医学記者時代の癌遺伝子、癌抑制遺伝子研究の時代から注目され始めていた。ゲノムププロジェクトの進展も貢献しているのだろうか。画期的な研究成果であると思う。