<こんなにも哀しい春があるものか(枚方市 石橋玲子)>⇒小林貴子選: 稲畑汀子さんから新たに小林貴子さんが選者になられた。石橋さんの歌はまことに身につまされる。今年の春は新型コロナウウイルスに加えて戦争が始まったのだ。
<難民に母と子多き氷点下(朝倉市 深町明)>⇒高山れおな選:
<春よ来い旧き都の尖塔に(名古屋市 池内真澄)>⇒長谷川櫂選:「ロシアの暴悪を悲しむ」とある。祈りの尖塔である、と長谷川さんのコメントだ。
<啓蟄や防空壕を知る八十路(さいたま市 榊原章)>⇒大串章選:
今週は俳句も歌も明るさはない。
<スタッフは忸怩たるものあると言うロシア料理で店の名キエフ(川崎市 小島 敦)>⇒永田和宏選:
<体いくかんで六年生をおくる会し会はうちのお姉ちゃんです(山添聡介)>⇒永田和宏、高野公彦選:
<手をひかれ人形抱いて歩む子の吐く息白く国境遠く(堺市 柴田義勝)>佐佐木幸綱選:
<手始めに線量測る畑仕事十二年目の福島の春(須賀川市 近内志津子)>⇒馬場あき子、佐佐木幸綱選:
<走るカズボール蹴るカズいびきかく父と一歳違いだなんて(松田わこ)>⇒高荷公彦選:
<コメント>
今週は、俳句にも歌にもロシアのウクライナ侵攻が暗い影を落としている。どう言い逃れしても、ロシアは「平和維持軍」をだしたとは言えないだろう。