TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

気になる本「この世界の問い方―普遍的な正義と資本主義の行方(大澤真幸)』ほか

 白菜を新聞紙で包んで外に出すために新聞紙を抜きだしたら興味深い記事が目にとびこんできた。古い(といっても、2023年1月28日、朝日新聞朝刊)新聞の「ひもとく」という文化欄の記事だ。「ひもとく 憲法と安全保障」という欄で憲法学者の木村草太さん(都立大学教授)が書いていた。テーマは、「9条の意義と普遍性に照らす」というのだった。こういう書き出しだ。

 <ロシアのウクライナ侵略は、あまりにも不合理に見える。自国民にも多大な犠牲を強い、国際的な非難を受ける。ウクライナと平和的に協力する方が、経済的にもはるかに大きいはずだ。なぜこんなことをしたのか。>

 まったく同じように思う。ところが、どっこい、プーチンさんの論理は、ウクライの同朋を救うためにやむを得ずに助けにいったことになるのだ。この論理の裏には、ロシアの歴史的な民族の問題が内包されているのだ。

 <大澤真幸『『この世界の問い方』は、帝国としての自己認識に着目する。帝国は世界全体を勢力圏とする国家である。国際社会で思うが儘に振る舞える自由を確保することこそが、帝国にとっての合理性だ。>

 『この世界の問い方』を読んでみたい。ロシアとウクライナの戦争は、もはや二国ではなく、ウクライナのうりろにはアメリカとヨーロッパ諸国(NATO)がいるんだから、もはや世界戦争の様相を呈しているのだ。

<こうした帝国の振る舞いは日本人の人々にも恐怖を与え、防衛力強化を求める声が広がっている。この点、木場顕『憲法9条へのカタバシス』は以前から、近年の憲法と安全保障の議論が非論理的に流れている、と警鐘を鳴らしてきた。恐怖を吹き飛ばす「気分」の醸成が優先され、「Aは非Aだ」式の非論理が幅を利かせる社会への警鐘だ。>

 「カタバシス」ってどういう意味なんだろう。知らないのだ。

集団的自衛権の是非以外にも防衛を巡る論点はある。国際政治学者が集い著すわしたウクライナ戦争と世界のゆくえ』の中で、小泉悠は次のように指摘する。今回の戦争は、古色蒼然とした真楽戦争が未だに起き得ることと、その戦争が世界全体への情報工作という最先端の手段を伴い遂行されることを示した。>

 木村草太さんは、この記事を、「複雑な国際問題を一発で解決する手段などない。軍事力への幻想に惑わされてはいけない。」

 この新聞には、ほかにもいくつか気になる本が出ていた。記憶と記録のために書く。

『リセットの習慣』(小林弘幸、日経ビジネス文庫)
『60歳からの忘れる力』(鎌田實、幻冬舎

 鎌田さんは、人生の8割は忘れていいこと、と書いている。またまた、幻冬舎の「かべ」だ。和田秀樹さんの「ぼけの壁」と同じ趣旨なんだと思う。

『やわらかく、考える』(外山滋比古PHP文庫) これ古いほんだろうな。