TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

 病という才能ではなくて病が才能 ~『ハンチバック』(市川沙央) 第169回芥川賞受賞 を読んだ

 『ハンチバック』(市川沙央) 第169回芥川賞受賞作を読む前に新聞で受賞の記事をよんで「病という才能ではなくて病が才能」の方が書いたのかと勝手に思っていた。実はこれはすごい小説だってわかった。際物ではない本物だ。
「選評」を読むと「生存のための不服従」というタイトルで島田雅彦さんが書いている。好意的な選評である。一押ししたんだろう。吉田修一さんの「選評」<とに書く小説が強い。一文が強いし、思いが強い。>というのも絶賛に近い。今後この作家がどんな小説を書いていくのだろう。文学とは言葉による「実学」であることがわかる作品と思う。

 今回の候補作に『エレクトリック』(新潮2月号)が入っていた。立命館大学のあの千葉雅也さんの作品だろう。これも探して読んでみたい。