TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

 『或る「小倉日記」伝』(松本清張)を読んだ〜 すごい本だ、もっと早く読みたかった

 良く晴れたが風の強い月曜日。同伴者Yが京王線にのって友人たち(MK、KO)二人と片倉城址公園にミスミソウ(雪割草)を見に出かけた。私は午前中は家にいて布団を干してたあと、過去の確定申告をエクセルに打ち込んで資料を廃棄した。ようになって、満を持して『或る「小倉日記」伝』(松本清張)を読んだ。もっと早く読めばよかった。松本清張さんが、41歳で書き始めて三作目とは思えない。この作品は、三田文学に載ったものだ。最初は直木賞候補になり、のちに芥川賞に廻されて受賞したというのだからすごいことだ。タイトルからして、歴史ものかと思っていたら全く違った。森鴎外が軍医として小倉に勤務していた頃の日記「小倉日記」(当時は失われていて後に再発見された)を追いかけた男の短い一生を描いたものだ。最初の作品『西郷札』の主人公もそうではあるが、松本清張は、いわば恵まれない薄幸の男を描くのに初めから長けていたようだ。
 評論家の平野謙譲さんが解説を書いていた。

 <作中に引用されている森潤三郎の著書『鷗外森林太郎』の一節からも明らかなように、この作品の主人公田上耕作は実在の人物である。おそらく薄幸のひと田上耕作の生涯は、ここにほぼ精確に写しとられていることと思う。そういう意味では、この作品は一種の実名小説あるいはモデル小説である。>

 平野謙さんの解説通りだとすると、清張さんはモデルとなった薄幸の主人公をどこで知ったのだろう。デビュー作となった『西郷札』は、西日本新聞朝日新聞の福岡支部)に務めていた仕事の中で、「西郷札」という幕末の遺産をともいえる「紙幣」の存在を知った松本さんが、これは小説に書けると考えたと、「半生の記」で本人が書いている。しかし、それ以降は、取材して題材を求めていったのであろう。
 もっと早く読んでみたかった。映画になった『点と線』も読み返そうか。清張さんを読むと、「小説の書き方」が少しわかるかもしてない。いずれにしても、テーマは「人間とは何かであろう」。その点が、直木賞から芥川賞に変わった原点だろう。

 最後に、本日の気になる本を書いておく。読読売新聞の広告からだ。

(1)『認知症は予防が9割 ボケない7つの習慣』(内科医 森勇麿、マガジンハウス、1100円)
 予防医学のプロが教える本当に重要な「脳の再生習慣」のすべて、ということだ。

(2)『きょうから始めるコロナワクチン 解毒17の方法―打ってしまったワクチンから逃げ切る完全ガイド』(井上正康、方丈社、1540円)
 「「あなたの不調、ワクチンのせいかも!!」と書いてある。これは一種のっ不安をあおる脅しだね。著者は医師なんだろうか?

 コロナワクチンのくによる「無料接種」の受付が、2024年3月31日で終了する。私は既に、7回の接種を済ませている。とくに身体の不調はない。

 

 

 

続く