ジェンナーに始まる「ワクチン接種」は感染症に対する画期的な医療の進歩である。ワクチンは人為的な免疫力増強法と言えるだろう。
一方、「移植医療」となると、これは侵襲的な極限的な医療といえる。脳死あるいは生体の移植にしても侵襲的な医療であることにちがいはない。そこまでして生きるかという議論もある。しかし、移植の受けて(レシピエント)が幼い子どもとなると、「なんとしても、そこまでしても生きて欲しい」と言えるのだろう。
標題のニュースを昨日テレビで知って驚いた。早速、本日(2024年3月5日)の朝日新聞朝刊の記事をまとめておきたい。
<京都大学病院は、3月4日、先天性角化不全症という病気の10歳未満の男児に対し、40代の父母から肺の一部を、60代の祖父から肝臓の一部を同時に移植したと発表した。4人とも無事に退院した。同病院によると、生体肺肝移植手術は世界初。>
手術は昨年11月15日に実施。男児と父母と祖父で四つの手術を使い、肺、肝臓の順で進め、18時間11分で終えた。男児は術後2カ月半ほどで酸素吸入が必要なく歩けるようになり、今月1日に退院した。「コンビニに行けるようになった」と喜んでいいたという。
先天性角化不全症は、遺伝子の異常によって皮膚や粘膜、神経系、肺、肝臓などの全身の臓器・組織で異常を来たす。・・・・関東地方に暮らす男児は、2歳で発症。重い貧血があり4歳の時に妹から骨髄移植を受けた。だが、肺で酸素を取り込みにくくなり、肝臓の血管の圧力が高くなるなど病状が悪化、肺と肝臓の移植が必要にんなった。
(神宮司実玲さんの署名記事から)
<コメント>
すごい記事を読んだので概要をかいておいた。「五体満足で元気で生まれ育つ」って実は大変なことなんだと再認識した。