TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

東大受診から帰宅して夜に「『大漢和辞典』の100年』(池澤正晃)を読み継いだ

 この本は凄い本なのだ。「大漢和は一日にしてならず」感あり。

 <昭和二十三年(1948年)の秋、鈴木と諸橋との間で戦後の新しい構想のも5とでの『大漢和辞典』刊行計画の協議がはじまった。そこで鈴木は、自分が事業半ばで倒れて刊行に支障をき来たすことがないよう、東京慈恵会医科大学在学中の長男敏夫と旧制第二高等学校を卒業して東京大学入学準備中だった二男啓介の二人をを、学業を断念させて経営に参加させ、さらに東京商科大学一橋大学の前身)に在学していた三男の荘夫については、卒業を待って経理の実務につかせるべく、万全の態勢をとることを諸橋に伝えた。諸橋は、協力者を静嘉堂文庫に呼び寄せると、現下の情勢下では印刷事業の再開は不可能であること、ただし、将来に備えてわれわれは協力者による校正刷原稿の見直し作業は継続して行うこと、大修館書店としては、活字の鋳造、職人・工場の確保の可能性ないしはそれに代わる印刷方法の可能性を探るべきことなどを確認した。>
 上に引用した件は凄いことではないかと思う。このようにして「大漢和辞典」の基盤ができたのかと思うと感動するよりも絶句に近い。

続く