『戦国権謀』(松本清張短篇全集1、昭和28年)この本のテーマは、徳川家康に仕えた本多正信とその子息の本田正純のことを書いている。題材は歴史小説ということになるが、実際は人間模様を書いている。どの時代においても人の生きるはどんなにか哀しいものであるかを描いている。松本清張という作家は、貧しい育ち、学歴のなさをエネルギーとしてかつ才能として41歳にして立った遅咲きの人である。しかし、17歳~18歳頃から文学的な交流もあり書き続けていた節がある。不思議な作家である。
『「大漢和辞典」の百年」を読んでみると、この本は「襟を正して読みたくなる」本である。学問の元となる辞書、事典の類はこのようにしてなるのかとの思いが強い。
(感想は読後に継続して書く)
読書の最中に脳外科医の福島孝徳さんが逝去との訃報がSNSで飛び込んできた。神の手と言われた脳外科医の福島さんの講演は一度聞いたことがある。30年ほど前に医学系出版者に勤務している時に先輩社員のN氏が脳腫瘍の手術を福島先生に施行してもらったが術後数日でお亡くなりになった。Nさんは編集者であったが脳外科領域にも詳しく「福島先生に手術してもらえたのなら本望である」と術前に話していたと聞いたことがある。