TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

 『<女>としての天皇』(大澤真幸、左右社、2021年)を読み終えた ~なんだか興味深い結論の本だ

 タイトルからみると、この本は大澤真幸本郷和人さんの共著のように見えた。ところが最後によくみると大澤真幸が著者で本郷和人さんはゲストだとわかった。

 本日は、「Ⅷ<女>としての天皇」、「結に代えて 信長はなぜ殺されたのか」までを一息に読んだ。面白かった。しかし、最後の文脈と言うか数式を駆使した読み解きのところはついていけない。分からないけどおもしろい文脈だということがわかった。

 <ラカンの「性文化の公式」を」応用することで、武士と天皇とが共存しえたメカニズムを説明することができる。武士が天皇を温存した理由、武士が天皇を必要としていた理由は、ラカンの「女の公式」(A)を起点においた論理の展開を通じて説明できるのだ。これが、この論考で提案してきた仮説である。>

 全てを端折って「信長はなぜ殺されたのか」の項の結論を引いておく。
<結局、信長は、武士性の原点に純粋に留まった唯一の武士であったがゆえに、家臣の殺意に対して脆弱だったのだ。>
 信長だけが天皇への求心力化離脱していた。
 結局、秀吉、家康が残ったので、天皇制は現在ま繋がってきたといえる。

 理解しきれなかったけれど不思議な満足感のある読後感を覚えた。この方は1958年年生まれで私よりも一回りも若い。松本深志高校から東大文学部(博士課程)を経て京都大学に移り2007年に教授になったのに2009年に辞職している。本をたくさん書いている。面白そうなタイトルを記す。
(1)『ふしぎなキリスト教
(2)『ゆかいな仏教』
(3)『げんきな日本論』
(4)『三島由紀夫 二つの謎』
(5)自由という牢獄』
 読んでみたい。