「iPSから生殖細胞 大量作製 ヒト精子・卵子の前段階(京大グループ)という大見出しが本日の朝日新聞(2024年5月21日)に載っていた。「不妊症など治療 期待」の副見出しもついている。画期的なニュースである。「医学よ、どこまでいくか・・・」の思いもぬぐえないが画期的なことなので概要を新聞記事からまとめておきたい。朝日の記者の桜井林太郎、瀬川茂子さん、二人の署名記事だ。
<ヒトiPS細胞から精子や卵子になる手前の細胞を大量につくる方法を、京都大の斎藤通紀教授(細胞生物学)らの研究グループが開発した。細胞数を100億倍以上に安定して増やせる。将来的に研究がさらに進めば、皮膚や血液など体の一部から精子や卵子をつくり受精させることも技術上は可能になる。>
この技術って、既に神の領域を超えているのではないか?いきなりヒトの細胞なのか?ということを素人の私はまず考えた。
<ヒトの体内では受精卵になってから2週間後に、その次世代の精子や卵子のもとになる「始原生殖細胞」ができ、6~10週間後に精子、卵子になる手前の「前精原細胞」に分化していく。>
「受精卵」は分化してヒトになっていくのではないのか?上の文章の下線部分は理解できない。どういうこと?
<斎藤さんらはヒトiPS細胞由来の始原生殖細胞にBMP2というたんぱく質を加えて培養する方法で、前精原細胞と前卵原細胞をつくった。
4カ月ほど培養すれば細胞数を100憶倍以上に増やせるという。大量にヒトの前精原細胞と前卵原細胞をつくることができるため、それらを材料とした実験がしやすくなり、生殖細胞の研究が一気に進む可能性がある。>
やっぱり実験医学の段階なのだと理解はできるが「不妊症などの治療に期待」などといって、人間をこの技術で作ることがいいのだろうか?わからない。
<論文が英文科学誌ネイチャー電子版で発表される。精子や卵子ができる基礎的な仕組みの解明や、不妊症や遺伝病の治療法開発に期待がかかる。一方、倫理上の議論も速やかに求められる。>
「倫理上の議論が求められる」のは当然だろう。動物さんには申し訳ないが、いきなりヒトiPS細胞ではなく実験動物で行うのは意味がないのだろうか?と思ってま、関連記事(2面)を読んだら動物実験ではもう更に先に進んでいるのだと知った。
研究を行っている斎藤さんは「ヒトの生殖細胞の発生過程を試験管内で再現する研究の非常に大きな第一歩。様々な生殖医学への応用、可能性が広がると期待している」と話している、と記事には書いてある。
やはり試験管内の基礎研究の段階ということなのだろう。いきなり「不妊症などに期待」の見出しを見ると驚いてしまう。2面の記事には「命のもと試験管で再現」と大きな見出しの記事がありもっと詳しく書いてあった。やはり画期的なニュースだ。
恒例の今日の気になる本を書いておく。
(1)『とにかく休め!』(きずな出版、1430円)
なんなんだこの本は?「休む罪悪感が吹き飛ぶ 神メッセージ88」とある。
(2)『100歳の壁 脳・からだ・心』(和田秀樹、きずな出版、1430円)
和田さんの最新刊なんだって。ついに100歳まできたか。