TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

父のごと秋はいかめし


 父ののごと秋はいかめし 母のごと秋は懐かし 家持たぬ児に
 (石川啄木「一握の砂」)

 昨日の夕方合気道の稽古の帰り道で白い彼岸花を見つけた。彼岸花は毎年同じ頃に同じ所に咲く。ではと,昨年咲いていた別のところの観測に行くと,真っ赤なのと白いのが咲き揃っていた。つい3日くらい前には影も形も見えなかった。台風21号が大雨をもたらしてからここ2~3日急に気温が下がった。あっという間というか多分一晩か二晩で彼岸花は地中から茎を伸ばす。そして忽然と咲き誇る。
 この時期になると冒頭に紹介した啄木の歌がが浮かんでくる。「いかめしい」とはどういうことか?チョット強面で近寄りがたいのだろうか?女優の大竹しのぶさんが朝日新聞でコラムを連載している。この夏にお母さん(エステルさんという珍しいお名前だ)を亡くされた件で「95歳の新藤兼人監督が生前に幾つになっても母に会いたいものなんです」と言われたことに触れていた。「母のごと・・懐かし」はよくわかる。
 「家持たぬ児に」という最後の句はどういうことなのだろう?啄木が寓居した本郷弓町の理髪店「喜之床」は私の勤務先のすぐ近くだった。今はないが跡地には記念碑が建てられている。啄木はこの床屋を間借りして目の前を走る市電に乗って当時勤めていた銀座の朝日新聞社に校正の仕事に通ったということだ。サラリーマンの大先輩の啄木は、「はたらけどはたらけど・・・」なんていいながらよく会社を休んだらしい。歌の原稿料だけで妻子ばかりか両親までは支えきれなかった。つまり「家持たぬ児」だったからだろうか?Gの読みはが浅いかな?