もう9月も後半なのだがテーマが浮かばないので8月のことを書くことにした。
この八月箱根にウ
イリアム・フォークナー作「
八月の光」を携えて行き3日間で読了した。1949年に
ノーベル文学賞を受賞しているこの作家の作品を漸く紐解いたのは、図書館の返却棚で見つけた偶然の賜物だ。偶然とはいえ良い機会であった。
今年2018年から百年前の1918年は
第一次世界大戦の
終結の年で
ロシア革命の1年後だ。人類の歴史の中での100年はアッという間のようだ。
ソ連は今はなく
アメリカは初の黒人の大統領
オバマからトランプへと退行しているようにも見える。その中の71年間をGは生きてきたのだから何だか不思議の思いもある。
「ハ月の光」は主人公のひとりの身重の少女(小娘か?)リーナが胎児の父親の消息を追って
アラバマを後にした時から物語が始まる。そして生後二カ月に満たない赤ん坊を抱いたリーナの続いている旅の途中で物語は終わる。この間のたった2カ月の間に登場するのは呪われたといえる血で繋がったファミリーの錯綜する
ポリフォニーの物語であり,
ドストエフスキーの
カラマーゾフにも通底する趣がある。暗い物語なのだが何故「
八月の光」なのか? 原題は英語で「Light in August」だからそのままの翻訳なのだが・・・。