19歳で大学生になって喫煙を覚えた。今から思うと煙を肺の奥まで吸入はできなかったが生意気にお酒を飲んだりすると煙草をよく吸った。夜中に煙草を求めて自動販売機に走ったこともあるから立派な喫煙者だった。結婚して27歳で長女が生まれてからも喫煙習慣は続いた。29歳頃に喫茶店で最後の積もりで一服して半分以上残っているハイライト(タバコ)の箱をテーブルに残して店を出た。近くの交差点で信号待ちしていると「お客さん、お忘れものーおタバコ・・・」と店員さんが追いかけてきた。長閑な昭和の午後のことだ。見事に禁煙に失敗。漸く成功したのは三女が生まれたのに健康にすっかり自信をなくしていた34~35歳ころのことだ。
爾来、禁煙してから35年余が経過する。定年を迎えた頃から少し年長の上司や同世代の同僚が相次いで幽冥境を異にした。多くは煙草好きな方だった。過度な健康志向に組したくはないが生活習慣病(高血圧、糖尿病、肝炎)を抱えるGにとって煙草を止められたことは福音だ。翻って、喫煙者に厳しい世の中になった。嫌煙運動が盛んで喫煙の害についも実証されている。厚生労働省の調査によれば他人の煙草を吸い込む受動喫煙を職場で経験する人が約4割はいるという。今年(2018年)7月に成立した改正健康増進法ににより2020年度から大半の職場は原則屋内禁煙となるらしい。これに先んじて東京都では「受動喫煙防止条例」がこの27日に都会議で可決成立したという。飲食店は従業員を雇っていれば原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)となり年内から段階的に施行していくという。よいことだと思う。