TomyDaddyのブログ

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「私のC型肝炎物語」第5章:MSD社の治験に参加― (12)治験後7週~12週

(12) 「私のC型肝炎物語」 第5章: MSD社の治験に参加― 治験後7週~12週

 

MSDの治験服薬は失敗に終わった。これに気落ちしている余裕はなかった。毎日、午前の面会時間に横浜総合病院に行った。8月25日(火)は治験後7週目の東大病院の受診日だ。この日は、HCV内科とDM内科との同時受診だった。

■東大病院2科を同時受診■

  • 2015年8月25日(火)治験後7週目:

(89) 8月25日(火):起床6時1分。6時39分発で若葉台から本郷へ向かう。7時49分に東大病院受付。8時15分に採血。採血の後で地下の三四郎で朝食をとる。9時5分にDM内科の診察を終了。GAグリコアルブミンが前回(6月18日)の18.8から20.6へと上昇していた。次いでHCV内科も受診した。AST、ALT、γ-GTPは36、33、48で、基準値は越えているが横ばいであった。11時20分に若葉台に着いて帰宅して家で昼食にした。一休みして家を出て、15時3分に横浜総合病院にY子の見舞いに行った。Y子はCT検査のあとで少し吐いてしまったという。麻生リハビリテーション病院への転院が近いのに心配である。17時10分~18時5分頃まで一緒にいた。夕食介助を始めたときに義妹M子が来てくれたので、後を託して帰宅した。

(90) 9月29(火):起床5時50分。本日は服薬終了後に最初の治験診療日だ。6時15分発で若葉台から本郷へ向かう。7時3分頃に本郷に着いて、駅近でモーニングコーヒーと卵サンドの朝食をとる。8時20分に東大病院受付をする。直ぐに採血と心電図計測を済ませた。9時45分に浅岡先生の診察を受ける。AST、ALT、γ-GTPは、44、38、48と基準値を超えているが、前回とあまり変わりはない。血糖値が220と高い。受診は10時45分には終了した。直ぐに帰路につき、12時30分に若葉台に戻って昼食を食べた。午後13時過ぎには帰宅して一休みする。15時30分に新百合ヶ丘に行き、16時20分発の送迎バスでY子が転院した麻生リハビリテーション病院へ見舞いに行った。

■東大病院DM内科受診日にY子が退院■

  • 2015年10月27日(火):

(91) 10月27(火):起床5時50分。本日は東大病院DM内科受診日である。かつ午後にY子が退院する。若葉台を6時38分に出発した。東大病院には7時50分頃に着く。採血とし採尿を済ませて地下の三四郎でモーニングの朝食をとる。サラダ、ゆで卵、トースト半片で500円だ。9時50分頃に診察となった。AST、ALT、γ-GTPは、56、57、58と上昇していた。GAが20.9なのでこれも上昇していた。診察は10時過ぎには終了した。

帰路は新宿から京王線で永山駅に行って、早めの昼食を済ませた。小田急線で戻り11時40分に帰宅した。急いで、12時30分~15時30まで家中の掃除をした。

15時35分頃にY子が4カ月振りに帰宅した。私が東大通院日だったので、三女夫妻が病院から車で連れてきてくれた。三女Rの持参した栗御飯、隣のHIさんから頂いた赤飯と解凍したホタテで夕食にした。

■治験の全行程終了―最後の受診日■

  • 2015年12月15日(火):

(92) 12月15日(火):起床6時25分。本日は治験服薬終了後2回目、そして最終受診日であった。6時25分に起床。6時58分に家を出た。若葉台発7時12分で新宿へ行く。本郷に7時22分頃について、東大病院の受付は7時33分であった。7時35分頃に2階の治験の部屋に着いた。本日の担当CRCは中門さんであった。採血、超音波、心電図検査も順調に進んで8時35分には終了した。約2時間待って、内科受診は10時35分頃になった。血液検査の結果、AST、ALT、γ-GTPは、53、54、48であった。血糖値は166であった。血小板(PLT)が15.3と増えていた。この日で、MSDの治験の全日程が終了した。

次回受診日が、2016年(平成28)年3月8日(火)に決まった。私がMSD治験服薬に参加していた2015年9月、C型肝炎(1型)に対するインターフェロンフリー新薬「ハーボニー」に対して厚生省の認可がおりた。

■MSD社治験(JapicCTI-142638)とは■

ここで私が参加したMSD社の治験内容についてまとめておきたい。

(1) 試験の名称:日本人C型肝炎を対象としたMK-5272及びMK-8742 併用投与の安全性、忍容性及び有効性を評価するための第Ⅲ相無作為化プラセボ対照試験。MK-5272はNS3/4A阻害薬、MK-8742はNS5A阻害薬である。治験の名称は「JapicCTI-142638」といった。

(2) 期間:2015年4月7日~12月15日。

(3) 結果:服薬終了4週後(2015年7月28日)にHCV-RNAに対するPCR検査でHCVウイルスの再燃を確認した。ウイルス量は5.3と元に戻っていた。

(4) 変異株:治験の前年2014年に、HCV DCV耐性変異検査を検査会社(SRL)で受けた。その結果、L31変異株、Y93は野生型であった。治験終了後に、Y93変異株が新たに発生した。

■新薬グラジナ・エレルサ承認―2016年9月■

私が参加したMSD社の治験薬は、翌2016年3月に厚生省に新薬としての認可申請が出された。その6か月後の9月には承認され、11月18日に発売された。承認に到るまでのMSD社の治験の概要は2016年5月20日に開かれた「日本肝臓学会総会」で虎の門病院肝臓センターの鈴木文孝さんが報告していた。

以下に、日刊薬業新聞(2015年5月20日付)から概要を引用記述する。

■「NS5A耐性変異あり」でも93.6%が著効■

MSD社が新規C型慢性肝炎治療薬として国内で承認申請中のNS5A阻害剤エルバスビル(MK-8742)とNS3/4Aプロテアーゼ阻害剤グラゾプレビル(MK-5272)の2剤併用療法の国内第3相試験の結果を報告した。SVR12(治療終了後の12週のウイルス学的著効)率は非肝硬変群96.5%、肝硬変群97.1%と共に高く、NS5A耐性変異がある群でも93.6%であった。両剤はいずれも多くのHCV遺伝子型に対して広範な抗ウイルス活性を有する直接作用型抗ウイルス薬として、1日1回投与(12週間)という特徴を持つ。試験は、ジェノタイプ1型の日本人C型慢性肝炎患者を対象に実施。非肝硬変は実薬群(227例)とプラセボ先行投与後に実薬を投与する群(74例)で、肝硬変(代償性)は実薬群(35例)で有効性や安全性を検討した。有効性については、耐性変異の有無別のSVR12率も検討した。NS3は耐性変異なし97.6%、変異あり100%で、NS5Aは耐性変異なし98.6%、変異あり93.6%だった。鈴木氏は「NS3・NS5A領域のベースライン耐性変異の有無はSVR12率に大きな影響を及ぼさなかった」と説明。また、性別、年齢など背景因子別の検討では効果に差はみられなかった。

■6.4%の失敗例に私は該当■

上記の治験結果に照らすと、「NS5A耐性変異がある群でも有効93.6%」から漏れた6.4%に私は入ったことになる。その結果として、新たにY93の変異株が生じたのであった。

(2018.12.15)

(「私のC型肝炎物語」 第5章: MSD社の治験に参加―〔12〕 治験後7週から12週まで)