TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

私の「医人」たちの肖像― (35)長谷川和夫さん②と講演「知能の老化と老年痴呆」~1985年1月14日(月)

(35)長谷川和夫さん②と講演「知能の老化と老年痴呆」~1985年1月14日(月)

1985年1月14日(月)。午後から第19回日本成人病学会の取材のために平河町の日本都市センターに出かけた。「成人病」という呼称そのものが、「生活習慣病」に現在では変っている。
■第19回日本成人病学会■
●1985年1月14日:
 こ
の機会に、「日本成人病学会」が、今も存在しているかどうかを調べた。なんと、第53回日本成人病(生活習慣病)学会学術集会(The 53rd Annual Meeting of the Japan Society of Adult Diseases)が、2019年1月12日、13日の両日、東京平河町の都市センターホールで開かれていた。テーマは、「社会への貢献」(Share the Society Share the Life)であった。
特別講演「知能の老化と老年痴呆」■
 
第16回日本成人病学会において、長谷川和夫さん(当時は聖マリアンナ医大教授・精神医学)による特別講演「知能の老化と老年痴呆」を聞いた。医学界新聞第1636号(1985年2月11日付)で、その取材記事を紹介している。「老年痴呆」という呼称が、「認知症」と2004年に名称変更になったことは既に触れた。
 
長谷川さん(聖マリアンナ医大・精神科教授、後に学長)は、老年痴呆の評価尺度として知られる「長谷川式痴呆検査スケール」の作成者として、当時すでに著名であった。長谷川式スケールは、高齢者の痴呆が「老年痴呆」と呼ばれていた頃に、その進み具合を判断するための「質問事項」をまとめ、その答えを数値化して尺度としたものであった。現在でも使われていると思う。その項目の中に「今の総理大臣の名前は誰ですか?」というような質問項目等がある。私の亡き母も年老いて入院した折に、「長谷川式」の検査をうけたようだった。「先生が変なことを聞くんだよ!」と、私が母を病院に見舞った折、言っていたのを覚えている。今回、ブログ作成の機会に件の号のバックナンバーの取材記事で、長谷川さんの講演内容を読んだ。
 
「年をとって物忘れがひどくなると、全ての人が呆けて、老年痴呆になるかというとそうではなく、知能の老化と老年痴呆とは関連はするが別個のものである」というイントロから始まって、「65歳の4.5%くらいが痴呆になること、診断の問題点、病因の早期解決等を広範に論じ、癌におけると同じく国をあげて英知を結集し、この面の研究を進展させることが一層望まれる」と、講演は結ばれている。
■米の週刊誌News Weekが”Aging”を特集■
 
現在、痴呆(認知症)の原因については、この頃に比べると格段に研究が進展しているがまだ途上である。取材記事には、米国の週刊誌 “News Week”が大々的に特集した「Aging(The Causes of Senile Dementia)」特集から関連記事を作成した。
 
アルツハイマー病は最も恐ろしい。なぜなら人を二度殺すからである。この病気にかかると名前・日付・場所そして人生の内なるスクラップブックとしての心が霧の中に入ってしまう。心を失うのは癌よりもひどいことだ。」
 
この頃には38歳であった私も、既に72歳を超えた。実はこのブログ執筆は、脳の老化防止の手段と考えているのだが効果は如何か?長谷川さんのことは、シリーズ(第18回)で既に触れた。今回は成人病学会との絡みで、再び長谷川さんに言及した。
(2019.2.12)
(私の「医人」たちの肖像 ―〔35〕長谷川和夫さん②と講演「知能の老化と老年痴呆」~1985年1月14日)