TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

気になる本『折れない言葉』(五木寛之)のこと

 五木寛之さんの本『折れない言葉』(毎日新聞出版)の広告が出ていた。「励ましにみちた珠玉のエッセー集』なんだという。「最悪だ」と感じられる時は、まだほんとうの最悪ではなんだという。ちょっと興味ある本だ。1540円とのことなので、まずは図書館にストすることにする。五木さんの本は、「捨てない生き方」が好評のようだ。
 新型コロナウイルス感染拡大防止の策が出てきてから、世の中の付き合い方が変になって来ている。沐浴ならぬ「黙浴」、あるいは食事はみんなと楽しく語り合いながらは消えてしまい、「黙食」が推奨されている。マスク越しでなくては他人に話しかける事も許されない。おかしな世の中になってしまったものだ。
 もう一つ、興味深そうな本を見つけた。『壁とともに生きるーわたしと「安倍公房」』というヤマザキマリさんのホンダ。ヤマザキサンは、あのローマの漫画家である。
 〈あらゆる不条理、予定調和の崩壊と向き合った安倍公房の普遍性を、漫画家 ヤマザキマリが生き生きと語る。(NHK 出版、1023円)〉
 5月に出たばかりの新刊だ。戦争とパンデミックの時代に知るべき強靭な思考、なんだってさ。読んでみたいので、記憶と記録のために書いておいた。

 

 

「第15回わたくし、つまりNobody賞」に決まった荒井裕樹さんのこと

 「暮らしの哲学」を先日、南足柄の山の中で読んだ。その時に、若くして亡くなった池田晶子さんを偲んでご主人他が、「わたくし、つまりNobody賞」という賞を作ったというのを知った。そのことが、頭の中にあったら、早速、「第15回わたくし、つまりNobody賞」に決まった荒井裕樹さんのことが朝日新聞夕刊(2022年5月11日)に出ていた。興味を惹かれたので、概要を引用したりして,まとめておきたい。

<著書『まとまらない言葉を生きる』が反響を集め、本紙朝刊文化面でもコラムを連載中の障害者文化論研究者、荒井裕樹さん(41)が、エッセイスとの故・池田晶子さんを記念した「第15回わたくし、つまりNobody賞」に決まった。先月、4月22日、東京都内での表彰式で講演した。>

 池田晶子さんは、哲学者であるが、その思索の足跡をエッセイ風にかいてきたので、エッセイストというのだろうと思った。荒井裕樹さんのことも私はしらなのだが、・・。

 <障害ある人々の自己表現をテーマに研究を始めて約20年。国や社会に異議申し立てをした運動家とも深くつきあい、「自身の痛みと向き合い続けていたら、大きなものに歯向かわざるをえなくなった」人生の軌跡に接してきた。>

 荒井さんの研究というか仕事に興味をもった。ここ数年、ハンセン病の来歴に関心をいだいてきたが、荒井さんはその辺を仕事にしてきた人と知った。

<障害者一人ひとりの生は多様なものだ。耐え難い迫害と苦しみがある。友情や恋愛や心温まる時間も存在する。その全体像に迫ろうと試行錯誤を重ねてきた。>

 荒井さんの本を是非とも読んでみたくなってきた。この記事は、藤生京子さんという記者が、荒井さんにインタビューして纏めたもののようだ。記事のタイトルには、
「網目の粗い言葉が多い今「個」をつつむ言葉を探す」とある。難しすぎてよくわからない。まずは、荒井さんの本を読んでみよう。

トルストイの『復活』を読み進めているー「いまどき、ロシア文学かよ」と思うなら思え

 ロシアのウクライナへの侵攻が止まらない。ロシアはどうするのだ。プーチンよ何を考えているのだ。
大江健三郎の文学の根幹にあるのは、「核への恐怖だ」とフランス文学者の工藤庸子さんが言う。>
 『大江健三郎と晩年の仕事』(講談社)のなかで、工藤さんはそういうことをい言っているらしい。読んでみたい。

 ともあれ、ロシアのウクライナ侵攻で、一進一退状況の中で、沢山の一般人民が苦しみ亡くなっている。その根底で世界中が固唾をのんでみているのは、「核への恐怖」なのだ。一歩まちがえば、世界は滅びる。そいう状況のなかで、ロシア文学も旗色が頗るわるい。
 いま、トルストイの『復活は』を呑気に読むのは如何か? 読んでみると、この120年前の貴族で地主のお坊ちゃんたる一方の主人公ネフリュードフの言動がいじらしい程に心に響いてくる。
 10年前の若き日—20代に末だろうかーネフリュードフは、召使の少女マースロワに恋してーというより若いはち切れんばかりの娘に惹かれ我がものにしてしまった。そして、たかだか10万くらいのお金を渡して捨ててしまった。よくある話だ。それが、10年の歳月を経て、しっぺ返しとなってネフリュードフに降りかかってくる。読んでいると、極めて現代的ですらある。読み進めていくなかで、諸々のことを感じ、感想を書いていきたい。
 (今日は、ここまで)

暮らしの哲学 池田晶子 を読みながら考える

 小田急線の開成町から箱根大雄山の保養施設オンリーユに泊まりにきた。早くついたので軽く昼食を済ませ、チェックインまでの空いた時間にベランダ で、池田晶子 暮らしの哲学 を読んでいる。46歳で早世したこの若い哲学徒の書いたものを、好んで読んだことを想い起こす。例のLGBT関連の差別事件絡みで廃刊になってしまった雑誌 新潮45 に載っていた 池田晶子さんと死刑囚の何とかさん、陸田真志さんとの往復書簡 形の連載が好きだった。池田さんは、可愛いひとに似合わず、変な言い方だが、真のひとだということがわかった。子どもを持たないという条件で結婚もしていたらしい。相手は大したできた男性だと思う。私なら池田さんを好きになって、剣もホロロにあしらわれただろう。この池田さんは、46歳の若さで癌に倒れたのだ。 

 いま読んだ件の本に あなたの親は親ではない という一文章が あった。

 我々、それぞれが寄る辺なき魂として、この無辺際の宇宙の中で、どこから来てどこへ行くのかも全然知らない。じぶんがある人格としてこの世に生存しているなんて理解不能の事態であって、たまたまある親の腹から生まれたけれども、その親だって本当は、自分が誰であるかを知らないわけです。

親をやってる皆さん、こういう感じ方をしていると、親子関係ははるかに味わい深いものになりますよ。不思議の御縁を大切にしましょう。いずれ我々、宇宙の旅人なんですから。

 この文章を、池田さんは、父親の死んだ直後に書いている。つい先日、徳永 進さんについて書いた時に、鶴見俊輔さんが、家族は親しい他人と言っていた、ということを書いていた。

 最近、私の同伴者は、もう50年も一緒に生活してきたが、最悪の家庭で無躾にそだった男に引っかかった、と私のことを臆面もなく言う。二人の間に授かって成人した娘たちも、悪い男の血が半分流れているのて 悪貨 であるという。さもありなん、と私は感受する。謙虚というのとも違う。

 池田さんの本を読み鶴見さんの言を読むと、今更ながら家族は偶然の同伴者であるだろう、と思う。

 森の中の温泉宿にいると、なんか気分が明るくなってきた。やはり、生きるためだけに食う、消費するのではなく、旅をする、薔薇を愛でて浪費することが、私たち人間には必要、と改めて感じた。

 

 

俳壇と歌壇を読んだ

 <ひとひらの花ひらひらと干し布団(四日市市 福村比登美)⇒長谷川櫂

<春の雨卒寿八十路」の長電話(立川市 星野芳司)>⇒大串晃選

<春キャベツ兎のよに食べ尽くす(浜松市 桜井雅子)>⇒高山れおな選

<踏んでるよそれが地獄の釜の蓋(武蔵野市 相坂 康)>⇒小林貴子選

⇒「地獄の釜の蓋」は薬草のキランソウ、新しい歳時記で春の季語に入った。」と、選者の小林貴子さんがコメントしていた。キランソウって見たことあったと思う。俳句は、自然と人生を切りとる。エスプリとユーモアが加わわり川柳となる?

 <コンビニのネパールから来たズマちゃんに「ナマステ」と声かけて新聞を買う(東京都 松本秀男)>⇒馬場あき子せん:
 松本秀男さん、慶應義塾大学のスポーツ医学の松本さんだろうか?同姓同名かな?

<実習生増えるふるさと初めての夜間中学開校をせり(観音寺市 篠原俊則)>⇒佐佐木幸綱選:

<暖房の無き地下壕に新生児抱きて暖め続けし看護師(観音寺市 篠原俊則)>⇒高野公彦

 篠原さん、毎日の生活が、歌になってしまったね。

<カチューシャも黒い瞳トロイカもあくがれ遠き歌声喫茶(東京都 清水由美子)>⇒永田和宏

 ⇒今週も、ウクライナの歌が多かった。

カチューシャも黒い瞳トロイカもあくがれ遠き歌声喫茶(東京都 清水由美子)

 上の歌が心に響いた。「復活」を読んでいるのだが、・・・。カチューシャは、スースロワなんだろうか?

 

がん「光免疫療法」ってなんだ?

 「がん光免疫療法」研究所が、この4月に、関西医科大学に出来たんだという。所長に、この治療法の開発者の小林久隆さん(米国・NIH主任研究員)が就任した(NIHと兼務)。この記事は、朝日新聞朝刊(2022年5月3日)に、瀬川茂子さんという記者が書いてた。興味を持ったので、引用して纏めておきたい。

<光免疫療法は、特定のがん細胞にくっつく抗体と、近赤外線当てると反応する化学物質を結合させ、薬として使う。光を当てると、光に反応した薬ががん細胞を壊す。壊れた細胞から、がん特有の物質が飛び出し、免疫細胞に取り込まれる。免疫も活性化され、残っているがんを攻撃する。がん細胞だけをねらえるため、正常な細胞を傷つけず、副作用が少ない利点がある。>

 「がん光免疫療法」は、従来の治療法に効かない頭頸部がんを対象に、2020年には承認されたんだという。
 今後の進展に、注目をしていきたい。

 

気になる本『撤退論ー歴史のパラダイム転換に向けて』(内田 樹編)の広告を見つけた

 『撤退論ー歴史のパラダイム転換に向けて』(内田 樹編)の広告を見つけた。編者内田樹さんの本は、目を通してみたいので、記憶と記録のために、広告から概要を紹介しながら書いておく。

<持続可能な未来のために、撤退するときが来た! 資本主義から、市場原理から、地球環境破壊から、都市一極集中から、日本はどう撤退するべきか?衆知を集めて論じるアンソロジー。>
 上記のような、キャッチ・フレーズが連ねてある。執筆陣は以下の世な人たちだ。堀田新語郎、岩田健太郎平田オリザ、渡邊麻里子、三砂ちづる、斎藤幸平、青木真兵、想田和弘後藤正文平川克美白井聡中田考、渡邊格、中野徹、他、である。著者には内田さんと既に一緒に本を書いたり対談したりした方が複数含まれている。出版社は、晶文社で1870円だ。編集者が、内田さんに持ち込んで成立した企画だろうか。岩田健太郎さんや三砂ちづるさんや、医学医療のかたと内田さんは相性がいいようだ。武道もひとつの身体論だからそうなるのだろう。本屋で、見てきてから読んでみたい。