TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

英(アストラゼネカ)ワクチンと日本のワクチン開発は

 英国で、1月4日から、アストラゼネカとオックスフォード大学が開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。当面は既に確保した53万回分を、高齢者や医療従事者らリスクの高い人から優先して接種していくそうである。
 このワクチンは、昨年12月30日、英国が世界で初めて承認していたものだ。米欧などで承認され接種が始まっているファイザ―とビンオンテック開発のワクチンが零下70度での保存が必要なのに対して、このワクチンは零下2~8度と普通の冷蔵庫で保管できるという利点がある。英国は1億回分を注文しており、日本政府も1億2千万回分(2回接種するので6000万人分)の供給を受ける契約を結んでいる。
 このワクチンの1回目と2回目の接種の間隔を4~12週間と、審査当局は設定した。ファイザーのワクチンは接種間隔を21日間としていたが、これも3~12週間に延ばした。
 英国では、既にファイザーワクチンで94万回分の接種が行われた。そのご、英国では感染力が強いとされる変異ウイルスが見つかり、新感染者が連日5万人を超えるなど、感染拡大に歯止めがかかっていない。アストラゼネカ製のワクチンの実用化で、難航していた高齢者介護施設の入所者への接種が容易になり、事態の改善につながると期待されている。(2021年1月6日付 朝日新聞朝刊 ロンドン=下司佳代子さんの記事から)

 ■ワクチン開発―日本の状況
 最近読んだ、宮坂昌之著『新型コロナ―7つの謎」でも、「有効なワクチンを短期間に開発できるのか」という一章をさいて詳述していた。「安全で予防効果の高いワクチンが出てくるまでには、かなりの時間がかかるのではないかと、私は考えています。」との指摘がある。実際は、その直後の2020年11月には、ファイザー製薬のワクチンが世に出た。早期のワクチン完成には目を見張るばかりだ。それでは、日本の製薬会社や大学における新型コロナウイルスワクチン開発はどうなっているのだろうか。これが気になっていたところ、本日(2021年1月6日)朝日新聞朝刊に、「ワクチン開発 日本で遅れ―治験2社のみ コロナ機に停滞あらわ」の記事が出ていた。タイムリーな記事なので概要をまとめておきたい。
 【国内製薬会社の主なワクチン開発状況

(1) アンジェス(大阪)
 国内で治験を実施中。3月までに治験の接種を終えて、その後、海外を視野に最終治験を検討。
(2)塩野義製薬(大阪)
 昨年12月に、200人以上を対象に国内で治験を開始。
(3)第一三共(東京)
 動物の試験で効果を確認。3月に国内での治験開始を目指す。
(4) IDファーマ(東京)
 最短で3月に国内での治験開始を目指す。
(5)KMバイオロジクㇲ(熊本)
 1月に国内での治験開始を目指す。

 「海外勢と国内勢でここまで差がついた背景には、技術的理由のほかに、新型コロナの流行前には既に国内のワクチン産業が停滞していたことがる。」とのことだ。
 (上記は、井東礁、江口英佑、真海喬生の記者の記事より、続報を期待している。)
 <コメント> 日本のワクチン開発産業がここまで弱いとは知らなかった。厚生労働省によると、国内のワクチンの市場規模は約1400億円と、医薬品全体(10兆円)の1%強に過ぎないうえ、半分以上は輸入品が占めるのだという。日本政府は、この2月下旬にも米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの接種を始める方針を出している。これは朗報で、医療従事者や高齢者から始めるらしい。かつ、接種は無料で行われる。さりとて、海外からのワクチン購入には膨大な費用が生じるはずだ。現在まで、新型コロナウイルスワクチンの値段については情報がでていない。恐らく今後、経済格差とワクチン接種が問題になってくるだろうと思う。