ここ3カ月くらいは、高橋源一郎さんにドップリつかって読書連鎖を続けてきた。昨日、『官能小説家』をよみおえた。この本は、『日本文学盛衰史』を雑誌「群像」に連載しているほぼ同時期に、朝日新聞に連載していたのだと知った。2000年頃のことだが、そのころ新聞はとっていたが、新聞小説までは読んでいなかったのだ。まるで、めちゃくちゃな書きぶりだね。一部はとてもよいのだが、時々、崩れたりするのだ。それが、「ポストモダン」の何でもありの骨頂なのだろう。現代に戻ってきた、森鴎外と樋口夏子こと樋口一葉のセックス場面を書いたりしている。樋口夏子の小説の師である、半井桃水との絡みもとても興味深い。樋口一葉は現代にも残る作家になり、五千円札にもなっているのだが、半井桃水のことは誰も知らないだろう。触発されて、樋口一葉「たけくらべ」(川上未映子訳)も読み始めた。川上未映子さんという作家は、弟の学費稼ぐために、ホステスをしていて、そのあと作家になった人ではなかったろうか。『乳と卵』で芥川賞をとったひとだ。そのほか、しりあがり寿さんの「真夜中の弥次さん喜多さん」も読み始めた。読書連鎖が続くのだ。
そこにきて、『おじさんは白馬に載って(高橋源一郎 絵・しりあがり寿)」を稲城図書館でかりてきた。
表紙の題名は、『おじさんは白馬に載って(高橋源一郎 絵・しりあがり寿)」だが、中のタイトルは、「おじさんの本音と正義とユートピア」となっている。雑誌「週刊現代」に載ったのを後で本に纏めたものだと知った。トップの、「001」は、「ほんとうのことを言おうか」となっている。
<町田康さんの小説に「本音街」という」短編がある。・・・・・ついこの間の芥川賞で、中原昌也という人の小説が候補に選ばれた。・・・・・萩原朔太郎賞という詩の賞を、ある若い詩人(松本圭二)が受賞した。たたおえて言うならば、芥川賞を中原昌也が受賞したようなものだった。詳しくは書けないが、その若い詩人書いた詩には、詩人なら見たくないような「ほんとうのこと」が満載されていたのである。・・・>
こういう書きっぷりなので、高橋さんの本を読むと、読書連鎖が切れないのである。わたしも、松本さんの詩を読んでみたい。「ほんとうのことを言おうか ・・・・」とこいう詩の一句を読ん⒝んだことがあるような気がする。このフレーズは、たしか初期の吉本隆明の詩に出てきたのかもしれない。
さて、高橋さんは現存の作家であり、Twitter なんかんもやっている、先日も、なにかTwoitterに書いていた。高橋さんはフランス書院の牧村僚のフアンであるようだ。そこまで、読書連鎖を広げると時間がないので、再び、泉鏡花にもどろうと思う。
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