TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

村上春樹さん クラシックを語る新刊 『古くて素敵なクラシック・レコードたち』(文芸春秋)のこと

 村上春樹「一人称単数」を読んでいる。それにしても、村上春樹はジャズも、クラシックも音楽に造詣が深い。文章を書く人は音楽をよむというか理解するのだ。高橋源一郎さんも、村上春樹さんとは全く素養が違うが、ビートルズには詳しいようだ。
 私ときたら、ジャズもクラシックもおろかビートルズだって知らないのだ。唯一、知っているのは歌謡曲の「津軽海峡冬景色」と「網走番外地」くらいのものである。随分前に、49年くらい前に、家内と知り合った時に、新宿の厚生年金会館に、チック・コリアハービー・ハンコックのジャズコンサートに行ったことがある。それとても、後に家内となった元音大生の少女のボディーガードの役割を担ったのだ。ジャズのジャの字も分からなかった。10代の頃に過ごした群馬県の受験校だった高崎高校では、音楽も美術も必修科目だった。だが、音楽教師は、「君たちは受験勉強で大変だろう。これからクラシック音楽のレコードをかけるから、居眠りをしながら聞いていなさい」と言って、レコーどをかけてくれた。「中央アジアの平原にて」等々。さすがに、ハチャトリアン「剣の舞(サンサーンスかな)では居眠りはできなかったろうが、この音楽教師のお陰でクラシックは少し好きになった。

 さて、今日は標題のテーマに触れる。
村上春樹さんが、クラシック音楽について初めて本格的に書き下ろしたんだという。コロナ禍の1年、自宅にあったLPを真剣に聴き直し、思索を深める日々を送った、その証の本が、『古くて素敵なクラシック・レコードたち』(文芸春秋)なんだという。
 村上春樹さんはこんなことを言っている。
 <戦前に演奏されたバッハは、いまの時代のバッハとは全然違くう。さまざまな演奏の積み重ねを「精神の歴史」としてたどるのは、人間の魂にとって、実はとても大切な作業だと思うんです。レコードがある時代にうまれたからこそ、僕はいろんな時代に優れた演奏をみつけることができる。長く生きてきて良かったなと思います。>

 村上春樹さんの本を読んでみよう。もう一度レコード鑑賞もしてみよう。いまからバッハでもあるまいが・・・。