TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

気になる本のこと2冊―「自分の価値』と『土になる』

『自分の価値』(扶桑社新書)という本を曽野綾子さんがだした。三浦朱門さん(ご主人)が亡くなって4年くらいたったのだろうか。『夫の後始末』というようなタイトルの本を書いてセンセーショナルな感じだった。読んでみたら、認知症になってきたご主人をどのように介護して見送ったかという本だった。売らんがために、編集者と出版社が付けたタイトルだろう。あれから、4~5年くらい、曽野さんはすこぶるお元気で本も書いている。

本の、キャッチフレーズに「諦めることを覚えたら楽になる」と書いてある。この言葉は、五木寛之さんの「明らかに極める=諦める」と同じではないかと思った。こういうことも書いてあるらしい。
「一言でいうと、世間的な評価とは別に、すべての人間にはその人しか達成できない現世の使命が与えられているということである」(まえがきより)とある。本当だろうか?われわれ庶民でもそうなのだろうか? 京王線のなかで人をナイフで刺して、油をを撒いて火をつけて、死刑になりたかったという男はなんのだ。「その人しか達成できない使命」には飽くもあるのだろうか? 曽野さんの本を図書館で借りて読みたい。

 坂口恭平さんがまた本を書いた。『土になる』(文芸春秋)だ。坂口さんは、躁鬱病で、建築家で、作家で、画家なんだという。43歳だから私のこども世代だ。医学書院の「ケアを開く」シリーズにも書いている。もしかしたら、このシリーズに書いた時から世に出たのではないか。
 「自宅のある熊本市内の農園に通い、土に触れる日々。本書は、そこから紡がれる思索の記録だ。」と書いてある。やっぱり、どこかで人は、ブレイクしてしまうと生きやすくなるのかもしれないとい思った。これも読みたい。

 土というと、長塚 節の小説を想い起す。
「土に生き土を耕し我を産み還りて母は翠とならん」
 私の母は群馬の田舎で生まれ育ちそこで一生を過ごした。土って、そういうものだ。