TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

『芥川賞候補傑作選ー平成①1989-1995』(鵜飼哲夫編)を読んでいる

芥川賞候補傑作選ー平成①1989-1995』(鵜飼哲夫編)という部厚い本を川崎市立図書館(麻生館)で偶然に見つけて借りてきた。この本を借りてきたのは、車谷長吉さんの『漂流物』が載っていたからである。『漂流物』は、「文学界」の1995年2月号に載っていたので、私も読んだことがある。粗筋は忘れてしまったが、車谷さんが東京でのサラリーマン(広告代理店)を止めて、関西方面に流れて行って、料理屋の下働きや焼き鳥の串刺しを仕事にしていたころのむ昔話だったと記憶していた。この作品が、第113回(1995年上半期)の芥川賞の候補になって落選したのだった。この時の当選が、保坂和志さんの『このひとの域』だった。この本も、文藝春秋でよんだのだが粗筋も中身も忘れてしまった。ただ、保坂さんの『書きあぐんているひとのための小説入門』のような本を最近読んだので、保坂さんにも興味を持っている。この人はこの人で、意識して書き手になった。車谷さんとは違うが、保坂さんはたしか、大きな会社でサラリーマンをしながら、書き続けていて芥川賞をとって、プロの作家になったひとだ。車谷さんは、『漂流物』が落選したあと、1998年に『赤目四十八瀧心中未遂』で、第119回直木賞をとった。この本もよんだことがあるが、そもそも直木賞はストーリーのある読みものがジャンルと理解していたので、車谷さんが直木賞をとったので以外に思った記憶がある。やはり、そのともくるまたにさんの書くものは、純文学で私小説だと思う。
 今回、『漂流物』を読み返した。やはり、すごい本だ。
 ところで、車谷さんの奥さんが詩人の高橋順子さんだ。『日本の名句・名歌を読み返す』(文藝春秋社)という本を最近出したと新聞の広告に出ていた。読んでみたい。『夫・車谷長吉』(文春文庫)も書いている。