「本庶 佑氏と小野薬品が若い―オプシーボ50億円支払い」という見出しの記事が出ていた(朝日新聞朝刊、2021年11月13日)。興味深い記事なので概要を記録のために纏めておきたい。
<がん免疫治療薬「オプシーボ」の特許をめぐり、本庶佑さん(京都大学特任教授)が、薬のオプシーボを販売する小野薬品工業(大阪市)に約262億円を求めた訴訟が、11月12日、大阪地裁で和解したということだ。小野薬品が、本庶さんに解決金などとして50億円を支払うほか、京大での教育研究を支援するための研究基金に、230億円を寄付することで合意したんだという。>
和解を受けて、本庶氏は訴訟を取り下げ、今後は薬学研究の発展とオプシーボの普及のために両者が協力することなどにも合意したんだという。寄付のお金は、京大が基金を運用し、対象者の選定は本庶さんや小野薬品の意向を反映しないようにするんだという。
ひとまず、若いということで、前向きに進むんだろう。だが、記事には、「産学連携契約に課題」の中見出しで、次のように書いてある。
<和解に至ったものの、課題はう今も残る。今回の争点は、小野薬品などと米大手製薬企業メルクとの特許訴訟に本庶氏が協力した対価について、契約の合意があったかどうかだ。
双方の主張に、隔たりがあった。それだけを¥みれば、「教訓は、産学連携で取り決めをする時は、後で問題にならないように条件を明文化した契約書を残すこと」と政策研究大学院大の隈蔵康一教授は話す。>
(瀬川茂子、田中奏子さんの署名記事から引いた)
コメント: 本庶さんのノーベル賞とオプシーボの開発は快挙には違いない。すごいことだ。イベルネクチンのほうはどうなっているんだろう。いずれにせよ、ひとの役に立つ薬の開発は、利益を生み出すんだね。京大といえば、霊長類研究所の松沢哲郎さんのほうは、どうなるんだろう。京都大学の霊長類研究所の所長で、モンキーセンター所長も兼任した松沢さんは、2020年11月24日に、同研究所が解散される原因となる研究資金5億円の不正支出で研究院を懲戒解雇になった。今年、2021年4月28日に、京都大学に対して、地位確認と未払いの給与の支払いを求める訴訟を提起している。松沢さんには、20年くらい前に、雑誌「神経研究の進歩」の特集で何かの原稿を執筆してもらったことがある。松沢さんは、2001年に、ジェーン・グドール賞を受賞している。言葉を理解するチンパンジー「あいこ」の育ての親であった有名な霊長類の研究者だ。不正のお金の使い方をするような人には見えなかったが・・。1950年生まれだから、私より三つも若い71歳だ。晩節をけがしたのだろうか?