TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

ショッキングな記事「足りぬ臓器提供 高額仲介」を読んで

 日本で臓器移植法が施行されたのは、いまから凡そ24年前の1997年(平成9年)のことだった。この時から、脳死となった提供者(ドナー)からの臓器移植ができるようになった。当初は、ドナー本人が事前に残していた「提供したい」という意志が確認できないと提供できなかった。2010年に改正法が施行され、ドナー本人の意思がわからない場合や、ドナーが15歳未満の子どもの場合でも、家族の承諾があれば提供が可能になった。ということで、日本でも脳医臓器移植が可能になったわけだが、欧米に比べると日本の脳死臓器移植は余り増えていないようだ。今回の、「NPO理事海外無許可(移植)あっせん容疑」のニュースは、国内での臓器移植の難しさが背景にあると思われる。件の記事に興味をもったので、朝日新聞朝刊(2023年2月20日)の記事から概要をまとめておきたい。

<海外での臓器移植を許可なくあっせんしたとして、横浜市に事務局を置くNPO法人「難病患者支援の会」理事の菊池仁達(ひろみち)容疑者(62歳)を、臓器移植法違反(無許可あっせん)の疑いで逮捕したと、警視庁が2月9日、発表した。>

 菊池容疑者と同法人は、肝臓移植を希望する東京都内の男性患者の親族に「ぎりぎりの数値だから早くしたほうが良い」などど勧め、昨年2月に、渡航先の東欧・ベラルーシの病院で、亡くなったひとから摘出した肝臓を移植する手術を受けさせた疑いがあるんだという。男性は手術後の帰国途中で体調を悪化させ都内の病院に入院。家族から改めて生体移植を受けたが、体調が回復せず昨年11月に死亡したという。親族は、渡航移植費用として、同法人に、3300万円をふりこんでいた。ベラルーシ国内での肝臓移植の当時の相場は1600万円程度だったという。

 日本臓器移植ネットワーク(JOT)によると、移植を希望し、JOTに登録している人は、約1万6千人。これに対して、国内で脳死や心停止となり、臓器を提供する人は1年間で約100人に止まり、摘出した臓器が患者に委嘱されっるのは、年400~500件とされる。希望者の約2~3割しか移植を受けらっれず、移植を待ちながら亡くなる患者も多いんだという。(大山綾さんの署名記事からまとめた。)

■臓器移植をめぐる動き■
1980年以降 画期的な免疫抑制剤が開発され、移植が盛んになる
1997年   臓器移植法施行
1999年   法制化での初の脳死臓器提供
2006年   知人から腎移植を受け報酬を渡した愛媛県の患者らが臓器移植法違反で執    行猶予判決を受ける
2008年   国際移植学会の「イスタンブール宣言」。臓器は自国内でまかなうよう努力すべきと呼び掛ける。
      中国で臓器移植手術を日本人に紹介したとして、日本人男性が中国当局から実刑判決を受ける。
2010年   改正臓器移植法が施行。家族承諾での脳死臓器提供が可能に。
2011年~13年 腎臓移植をめぐって暴力団組長や医師らが臓器移植法違反の罪で実刑や有罪判決
2023年   無許可で臓器移植をあっせんしたとしてNPO法人理事長を臓器移植法の違反の疑いで逮捕

■2019年の主な国の100万人あたりの臓器提供件数(心停止を含む)■
1.スペイン 49件
2.米国   36.88件
3.フランス 33.25件
4.英国   24.88
5.ブラジル 18.1
6.ドイツ  11.2
7.韓国   8.68」
8.トルコ  7.54
9.中国   4.16
10.  サウジアラビア  3.77
11. 日本   0.99
12.   マレーシア 0.53

<コメント> 私の場合は、C型肝炎ウイルスのキャリアだったので、臓器提供は諦めていた。HCVの駆除に成功したのだが、76歳になったので高齢で無理だろう。ほかの人の臓器を貰ってまで生きるかという判断は難しい、生体肝移植も、家族にとって辛い厳しい選択だろう。
 もう一つ、興味深い記事を読んだので、書いておく。

血液製剤 57年ぶりに輸出へ■
 日本血液製剤機構は、2月9日、今月下旬に血友病患者向けの計釣液製剤を途上国に寄付すると発表した。血液製剤の輸出は、1966年に停止されてから57年ぶりなんだという。2018年の法改正で、国内で余った分を寄付することが可能になっていた。(市野塊さんの記事)