TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

週刊文春の記事(2023年3月2日)―おひとりさまの教祖の入籍ーを読んで思うこと

 「おひとりさまの教祖上野千鶴子(74)が入籍していた」という週刊文春の広告を2月末に読んだ。興味を持って読みたかったので稲城図書館に行くたびに書棚を見たがなかった。本日、初めて見つけ読んでみた。見開き4ページの小さな記事だ。書き方も思ったよりも冷静で好意的なものとして読んだ。

 <フェミニズムの旗手にしておひとりさまの生き方にベストセラーを著してきた上野。2年前、彼女はある男性を介護の末、看取る。「結婚という制度がイヤ」と公言してきた上野は、彼と密かに入籍していた。>

 なんだ、やはり色川大吉さんを看取ったとのことだった。共同名義で八ヶ岳山麓に住宅を建てていた。色川さんが亡くなったあとに、家の権利をスムーズに移行するために制度上で結婚という形を最後に取ったのだろう。文春の記事でも、当の色川さんの長男という方が、「好きなことをやっていた父ですからね・・」とあっさりとしている。財産争いとか母を裏切ったとか、そういう意識もないと伺える。色川さんと上野さんの年の差は23歳だという。この年齢差の夫婦は別に珍しくもない。どうでもいいんじゃないかな。私が長野(八島湿原か霧ヶ峰かあの辺り)の民宿に泊まりに行って宿帳に二人の名前を見つけたのは30数年も前だから、二人が共同で家を建てたのはその後なんだろう。

 読んでみたい本が紹介されていた。

『おひとりさまの老後』(上野千鶴子法研、2007年)
『元祖が語る自分史のすべて』(色川大吉)  
『民衆史の狼火を—追悼 色川大吉』(不二出版、2022年)

 この追悼特集に上野さんがこんな一文を寄せているんだという。いいんじゃない。
 <このひとの晩年に、共に時間を過ごすことができたことは、わたしにとってえがたい幸運でした。(略)家族をつくらなかったわたしが、これほどの深さで受け止めた思いを遺してくれたのは、色川さん、あなたです>

 「週刊文春」もこんなに温かい記事を載せるんだとおどろいた。