TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

 6月1日は「世界ALSデー」なんだってー興味ある新聞記事から

 本日(2023年6月21日)は東京・御茶ノ水での元の勤務先I書院での同僚たちとの食事会に誘われて出席した。参加者は1943(昭和18)~1947(昭和22)生まれの5名だった。そのうちの二人(KとT)は一別以来、多分、2012年頃に退職してから初めてのことだった。会合の話は、病気のこと誰それが亡くなったというものだった。出席者の一人のMさんは、今から30年くらい前に、退社して起業していた。やはり医学系の出版社であるが、作家の大江健三郎さんと医師の誰それかとの対談の本も作っていた。大江さんの長男の光さんは、障害児だった。Mさんの出版社ではリハビリテーション関係の本を多く出していたので、その関係で大江健三郎さんに登場してもっらのかもしれない。当日、今年の春にお亡くなりになった大江健三郎さんのことも話題になった。大江健三郎さんの死因は、「老衰」と新聞では報道されていた。たしか、大江さんのは88歳でお亡くなりになった。確たる病気を持っていないと「老衰」という範疇に入るのかもしれないと勝手に思っていた。ところが、最晩年の大江健三郎さんは、何かの会に講演をした際に、同じことを何回もお言ったりして話がまとまらない、つまり認知症気味であったらしい。知の巨人でも老化には打ち勝つことはできないのだ、人は死すべき生きものである。

 さて、帰宅して、夕刊をみると、<ALS研究「宇宙兄弟」と共に>という大見出しの記事が載っていた。田村建二、野口憲法太さん二人の署名記事だ。

<人気漫画「宇宙兄弟」の大きなテーマとなっている難病・筋委縮性側索硬化症(ALS)の研究が、現実の世界で進展している。作品をきっかけに生まれた基金は、研究者が病の克服をめざす推進力になっている。(明日)6月21日は世界ALSデー。>

宇宙兄弟」っていう漫画があるんだ。私は無知でしらなかった。
■漫画「宇宙兄弟」■
 こういう話のようだ。宇宙飛行士として一緒に月に降り立つことを誓い合った兄のムツタ(南波六太)と弟のヒビト(日々人)が夢を実現させていく物語。伊東せりかは、宇宙飛行士仲間の一人。南波兄弟の成長に関わった女性、シャロンもALSを発症する。週刊モーニング講談社)で2007年から連載中で、単行本は42巻まで出版されている。
  作者の小山宙也さんは医師ではなさそうだが、なんでALSなんていう神経難病をテーマにしたんだろう。

 ALSは、神経細胞が徐々に失われていき、全身の筋肉が動かなくなっていく病気だ。ALSといえば、車いすの科学者といわれたスティーヴン・ホーキングさんが有名だ。ホーキングさんは、2018年3月に76歳で亡くなった。

 <(漫画)作品中で研究を大きく前進させたのは、宇宙飛行士で医師の伊東せりかだ。父親をALSで亡くし、「この難病をなおせるようにしたい」と、交際宇宙ステーション(ISS)での医学実験に取り組んだ。目標は、「TDP-43]というたんぱく質の結晶化。患者の神経細胞をでは、このたんぱく質が異常な形でたまっている。結晶化で構造を明らかにし、治療薬の開発につなげるねらいだ。せりかはいくつもの壁を乗り越え、結晶化を成功させる。>

 上で引いた漫画のストーリーはフィクションではないのだ。実際にTDP-43の構造解析を東京都医学総合研究所の長谷川成人(まさと)分野長らのチームが成し遂げたんだという。資料を急速に凍結させ撮影する「クライオ電子顕微鏡」という技術を駆使。論文は2021年12月に科学誌ネーチャーに載ったんだという。長谷川さんは、ALSとTDP-43が深く関わっていることを2006年に発表した。

 以上の経緯を読むと、漫画の作者の小山宇宙さんは、最先端の研究成果を漫画に導入したということなんだ。

漫画がきっかけで基金創設
 (まんがの)せりかが遂げたような大きな研究成果を、現実の世界でもと、寄付を募って研究者を助成するための「せりか基金」が2017年に設立されたんだという。

<コメント>
 興味深い記事だと感心した。最先端の研究というと象牙の塔の中という感じがするが、こういう形で研究費助成ができるのは素晴らしい。クラウド・ファンディングという形ありかもしれない。一方で、最近のニュースで、理化学研究所東京大学で科学者の雇い止めが起こり研究者の地位が危うくなっている。直ぐには成果が」でない基礎科学を大事にしていかなくては日本の科学のみならず将来が危うい・