「親譲りの無鉄砲で生まれた時から損ばかりしている』
(夏目漱石、「坊ちゃん」の冒頭)
「世渡りの拙きことをひそかにも誇りとしたる我にやあらむ」(石川啄木)
この歌は、啄木が自分が世俗の生活に疎いことをなげいているのではなく、むしろ自分は俗事にとらわれないもっと高みを望んでいる、という意味と捉えられるとの読みかたもあるらしい。
日野原重明さんに「生き方上手」という本がある。「生き方ど下手」というのが私の76歳の心境である。ああ、もっと本が読みたい。本は人格の陶冶に役達に立つ。
さて、本日は「ハザール」の素読みを第四章のみ行った。午後から買い物に出たので本が読めていない。例によって気になる本を書いておきたい。
(1)『進化が同性愛を用意した ジェンダーの生物学』(坂口菊恵著、創元社、1760円)
著者の専門は進化心理学、内分泌行動学、教育工学だって。大学改革支援・学位授与機構教授なんだって。この機構はどこにあるのだろう。坂口さんの専門の表示をよんでもよく分からない。医師ではないらしい。
「性行動の本来の目的を問い直す」というタイトルで書評を書いているのは、小宮山亮磨(朝日新聞デジタル企画報道部記者)である。
<同性愛は「不自然」だと思っている人は多いかもしれない。だって子どもができないでしょ、と。そう人こそ本書を読むべきだ。>
著者がまず口酸っぱく説くのは同性への性行動は自然界にあふれということ、なんだって。
・歴史的には人間の同性愛も当たり前。帝政ローマの上流階級では同性婚がよくあった。
・同性愛が進化で生き残った理由はよくわからない。
・性行動の本来の目的は個体同士の協力を促すこと。
いろんなことがこのん本には書いてあるらしい。
(2)『がいなもん 松浦武四郎一代』(河治和音、小学館文庫,858円)
松浦武四郎は、江戸末期の人で「北海道」の命名者だ。たしか、佐江修一が松浦武四郎について書いた本を面白く読んだことがある。
<絵師川鍋暁斎の娘豊(とよ)(暁翠)と武四郎の交流の中で繰り広げられる昔語りから、武四郎の来し方を書く。>
小説家の谷津矢車さんが、推薦している。読んでみたい。