TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

 町田康さんが初の歌集「くるぶし」を出した ~いいな歌が作れて

 町田康さんが初の歌集「くるぶし」という初の歌集を出したんだって。本日の朝日新聞夕刊(2024年6月12日)載っていたのでよんだ。酒をやめた町田さんはなんともスッキリした表情をしている。いい男だ。私も歌が詠めたら酒なんか飲まないでいい。一方で、若山牧水は酒の歌人だ。興味を惹かれたので、この記事を引用してまとめておく。

<作家の町田康さんが初の歌集「くるぶし」(GOTOGOTOBOOKS)を刊行した。青地に緑の箔でタイトル、著者名が大きくデザインされたギラギラとした装丁。飛び込んでくる最初の章のタイトルは「ボンジョビ」。まだ、一首も読んでいないのに、やられた、という気持ちになる。狂った節という意味も込めたタイトルを体現する歌集だ。>

 (田中瞳子さんの署名記事だ)

 圧迫を感じる朝は月見そば器の中で夜を続ける

「日常のなかから生まれて来るくるから、歌には料理がよく出てきます」

 <月見そばは、町田さんが家でいちばんよく作る料理だ。朝の明るさに心がついていけない。そんなとき、「月見そばなかで夜を続ける自分に酔うているんです>

 ええ、朝から月見そばを食べるのか?月見そばはよるの立ち食いソバの定番ではないのか。第一、月見そばは「料理」といえるほどのものではないだろうに。

 <「観念的、抽象的、理念的なことではなくて、日常に思ったしょうもないことを言うのが習い性というか、表現のクセになっているんです。自分の出所にパンクスがあるから>

 町田さんが、10代でパンク歌手としてデビューしたということは知っている。だが、パンクって何だ?パンクというサブカルチャーを体現する人々をパンクスというんだって。パンクの本来の意味は、「不良、チンピラ、役立たず」なんだそうだ。

 共感の乞食となりて広野原彷徨いありく豚のさもしさ

 <「いまの世の中では音楽も小説も新聞記事も、共感されることを持てめられる。でも、同時代に共感されることなんて、欺瞞のうそっぱち」と町田さんは言い放つ。>

 町田んさんはこうも言う。
 <「だれにも共感されないようなことが、自分の言いたいことなんじゃないか」歌を作る根源的な理由もそこにある。>
 そいうことか。こうも言う。

 <「魂を言葉にして取り出しているのが歌。技術、テクニックを学べばある程度はでいきるようになるだるけど、そんなの作る意味がない。そこからはみ出たものを作るほうがええんちゃう?>

 なんか、パンク出身の町田さんのエネルギーは凄い。五十代で酒をやめたから身体が整っているようだ。

 作るなよ自由自在に作られろ豚に生まれろそれが歌やぞ

 「素面で生きる」を読んでから町田さんの本はたくさん読んできた。乞食の現代語訳も面白かった。
 町田さんは、言葉と言う乗り物(ビークル)に乗ることが習慣になっているという。言葉という乗り物で遊ぶということか。こういう歌を読むと朝日歌壇のガザ、ロシア、ウクライナを詠んだ歌が薄く見えてくるのだな。

 「くるぶし」を図書館で探してみよう。買えばいちばんいいのだが・・・。