TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

五木寛之「百歳人生を生きるヒント」を読んで思うこと

 作家の五木寛之さんの「百歳人生を生きるヒント」(日経プレミアムシリーズ)を稲城図書館で見つけて借りて読んだ。以前(多分、昨年)「孤独のすすめ」(中公ラクレ)というこれも新書を読んだ。たしか広告のキャッチフレーズに「あなたが孤独を感じているなら豊かな老後を遅れます」というような文言があり、惹かれて読んだ。趣旨は「山登りと同じように人生は下り坂の方が大切です。こころして事故のないように降りて行きましょう」ということだった。友達少ない人間のぼくは読んで意を強くした。今回の本も基本的には同じ事を繰り返して言っている。
「世の中は、人は独りでは生きられない、歳をとったら、何かしら無理をしてでも、社会的活動に参加をしようというのが風潮です。とりわけ、高齢者にとって大切なものは、「キョウイク」「キョウヨウ」だというのです。その意味を聞いて、戸惑いを覚えました。」
 要するに五木さんは「みんなで渡れば怖くない」式をやめたらどうか。「断捨離」や「終活」もどこか違うのではないでしょうか、と問いかけている。ガラクタに囲まれたっていいんですよ、という提言もしている。同感である。
 「現実とは、過去、現在、未来をまるごと抱えたものです。未来に思いをはせて希望をふるい起そうとする感情と、過去を振り返って深い情感に身をゆだねることと、どちらもたいした違いはないのです。人は、今日を生き、明日を生きると同時に、昨日をも生きる存在です。」
 昨年、105歳で亡くなった医師の日野原重明さんは90歳過ぎても5年後の予定を立てていたという。「終活」なんて微塵もしていなかった。「よりよく死ぬ」とは翻って「よりよく生きる」ことに他ならない証左であろう。