TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

泉 鏡花『貧民倶楽部』を読んでみた

 泉鏡花『貧民倶楽部』を読み終えた。この本は昭和48年頃に勢いで買った岩波書店版「泉鏡花全集」の巻2に収載されている。買ったはいいが引っ越しのお荷物になりながら今まで読まれるのを待っていた。泉鏡花といっても、私には、金沢出身で尾崎紅葉に師事した作家くらいの知識しかない。

 読んでみた。『貧民倶楽部』の舞台は、御茶ノ水、四谷見附、六本木とかの辺が出てくる。それと文章が実に流れるように続くのだ。基礎知識がないので、「何だこの小説は?」と思いながら、途中で投げ出すのは嫌なので三日がかりで読み終えた。この小説は最初は、新聞か雑誌の連載だったのだろうか?泉鏡花近代文学も基礎知識がないので知らないのだが、小気味のよい流れだ。最後になって、主人公の女乞食の「お丹」が華族のわるい女たちを懲らしめている、テレビドラマの「必殺仕置き人」のような役回りをしているのだ、と分かった次第だ。

 読んでから、インターネットで『貧民倶楽部』といれてみたら、ドストエフスキーのラスコールニコフとのアナロジーで論じているひとがいた。「ふむふむ、そういう読み方もあるのか」と感心した。それと、鏡花の文章は韻を踏むような流れがあるので、音読に適しているのではないかと感じた。ともあれ、せっかく買った本なのだから、2巻から順番に読んでみることにする。実は、1巻のみが引っ越しのどさくさで紛失したらしく出てこない。可能ならインターネットで探してみたい。ともあれ、G爺は読書を楽しんでいる。コロナ蟄居していても、読む本はワンサカあるのだ。