TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

令和の詩人たちのことについて

 「文学とは言葉を用いた芸術である」と知った。文学部を卒業した私がなにを今ころ言っているのだろう。絵画や彫刻、音楽は藝術だとすぐにわかる。ただ、文学が藝術だってわかっていなかった。「文学は実学である」という本を出したのは誰だったろうか? 24歳でロシア文学科を卒業したあと、文学からは弾かれて勤め人になって50年が過ぎた。今頃になって、「文学が芸術とよくわかった。とくに、詩人はことばの芸術家だろう。こんなことを考えていたら、今日の朝日新聞(2021年1月16日)に二人の詩人の記事が載っていた。
 一人目は、「最年少で萩原朔太郎賞を受賞した会社員の詩人」という見出し(ひと欄)のマーサ・ナカムラさん(30歳)だ。<犬やタヌキ、イナゴ・・・。さまざまな動物が登場する「異界」を想像力豊かに描き出す。> 2018年に若手現代詩人の登竜門の中原中也賞を受賞した。

<「詩を通じて、居場所のない人の友だちになりたい。自分が描く『異界』が、孤独な人の逃げ道になってほしい」。> 

 こうナカムラさんは思っているのだという。
 もう一人は、岡本 啓さん(37歳)という詩人だ。『ざわめきのなかにわらいころげよ』(思潮社)という本を出した。2014年に現代詩手帖賞を受賞。第一詩集『グラフティ』は中原中也賞H氏賞に、2017年の第2詩集『絶景ノート』は萩原作朔太郎賞に選ばれた。

<朝食を作り、妻と3歳の息子を送り出す。そして街を歩き詩を紡ぐ。>

 だという。奥さんは、宇宙鉱物学の研究者らしい。これはこれで、詩人であることは激しい労働のようにも思える。