TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

遺伝子治療はどこまで進んでいるのだろうか

 新型コロナウイルスワクチンにもいろいろのタイプがある。アストラゼネカ製のワクチンは、ファイザーやモデルナのワクチンと違って、ベクター(入れ物)を使っていると知った。「ベクター」といえば、遺伝子治療におけるウイルスベクターのことを想い起した。そういえば、遺伝子治療はどこまで進んでいるのだろうかと思っていた。丁度その日に届いた、医学界新聞第3419号(2021年5月10日付)に、「日本発の遺伝子治療を世界へートランスレーショナル・リサーチを実現する策とは」というタイトルの興味深い記事が載っていた。これは、藤堂具紀氏(東大医科学研究所先端医療研究センター先端がん治療分野教授/日本遺伝子細胞治療学会理事長)に聞いたインタビュー記事だ。久しぶりに、医学界新聞に基礎研究関連記事が掲載された。興味を惹かれたので、記憶と記録のために、引用しながら概要をまとめてみたい。

 藤堂氏は、2020年12月28日に、日本で初めてがん(悪性神経膠腫を適応とするウイルス療法製品の製造販売承認申請を(厚生労働省に)行ったのだという。

藤堂 1991年のScience誌に、悪性脳腫瘍をウイルスで治療するアイデアを記したMartzuna氏の論文が発表されてから30年。G47 Δは日本で初めて実用化されるウイルス療法製品であり、国際的に脳腫瘍に対しては先進国初のウイルス療法薬となります。非臨床試験から治験製品の製造、規制への対応、治験実施まで、製薬企業を介さずにようやく製品化へたどり着きました。本製品は先駆け審査承認申請から承認までは6ヵ月がめざされます。今夏までには承認が下りると期待しています。>

 1991年といえば、私は医学界新聞の記者をしていた。Science誌の論文に注目したろうか。1991年といえば、エイズウイルスもC型肝炎ウイルスもまだ全貌は解明されていなかった。その時代に、「悪性脳腫瘍をウイルスで治療するアイデア」が出されていたのだ。

 ■遺伝子治療ってなんだ

 <藤堂 日本では「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」において、疾病の治療または予防を目的とした次のいずれかに該当する行為として定義されています。
 ① 遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与すること
 ② 特定の塩基配列を標的として人の遺伝子を改変すること
 ③ 遺伝子を改変した細胞を人の体内に投与すること
 実際には広義な言葉として、さまざまな遺伝子を特定の細胞・組織に運搬し、効果的に標的細胞内で発現させる能力を持つ「ベクター」を用いる治療を遺伝子治療の範疇に含めるのが一般的です。具体的には、遺伝子導入を体内で行う in vivo遺伝子治療と、体外で行うex vivo遺伝子治療に大きく分けられます。>

 世界で初めて行われた遺伝子治療は、1989年のADA(adenosine deaminase)欠損症に対するex vivo治療だった。この折の遺伝子治療においえては、倫理的な問題点が指摘されたのではなかったろうか。(後で調べる)この直後に、北海道大学の小児科の教授が、ADA欠損症に対する遺伝子治療の申請を(当時の)厚生省に行ったのではなかったか。(これも調べてみる)

 ■遺伝子治療

 

 

 

 

(更新予定)