TomyDaddyのブログ

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気になる本『俳句が伝える戦時下のロシアーロシアの市民、8人へのインタビュー』(馬場朝子さん)のこと

▶気になる本『俳句が伝える戦時下のロシアーロシアの市民、8人へのインタビュー』(馬場朝子さん)のこと

 

 馬場朝子さんのお顔写真を新聞(2023年4月8日、朝日新聞朝刊)で目にした。あの美しい知的な少女は白髪の老婆になっていた。先日、本郷の新読書社を訪れた際に、新読書社でかつて主催していた本郷ロシア語クールスで、ロシアに留学するに際し下斗米伸夫さん(東大モスクワ大留学、後に法政大学教授)がロシア語会話を短期間学んだことを話題にした。その折に下斗米さんにロシア語会話を教えたのが、本郷クールス主催の伊集院俊隆さんとモスクワ大学留学帰りの若き日の馬場朝子さんだった。馬場さんはたしか九州熊本出の国会議員(社会党書記長にもなられた)馬場何某の長女であった。当時だから学力優秀だけでなく社会党の「伝」があったからモスクワ大学に留学できたのかもしれない(これは学力も親ガチャもない小生の嫉みであるが)。馬場さんは帰国してNHKのテレビディレクターをしていた。

 今回、「著者に会いたい」という文芸欄の記事に標記の馬場さんの本が紹介されていた。読んでみたい。「俳句が伝える」なんて、魅力的なタイトルだ。ロシアとウクライナ戦争の勃発以来、ロシア語とロシア文学は人気がない。でも本当はロシア文学は消えてはいないのだ。

「日常が伝える戦争の悲惨」というタイトルがこの記事にはついていた。

 <「ロシアに暮らす人は今、何を感じているのだろう」 昨年2月、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めた日から、考え続けてきた。両国とのつきあいは半世紀にわたる。1970年熊本県の高校を卒業し、モスクワに留学。アフリカや南米などの多様な地域からの留学生と寮で暮しながら大学で文学を学んだ。帰国後、NHKに入局しディレクターとしてソ連・ロシア報道に関わってきた。>

 上記の履歴は私もよく存じている。

 <軍事侵攻後、ロシアへの渡航は難しく、情報統制も厳しくなった。オンラインでインタビューしても、紋切り型の答えしか期待できない。そう悩んでいたいた時、知人からロシア語で書いた俳句が一句、届いた。「ヘリ低く、飛びて不安の 風吹きぬ」(馬場さん訳)。>

 ・・・・・「俳句を切り口にすれば、より深い心のひだを取材できるかもしれない。そう考え、ロシアとウクライナ俳人に連絡とって取材。NHKETV特集で放送された内容に加筆し、ロシア編を同書にまとめた。」

 なールほど、そういうことか。ETV特集を見てみたかった。馬場さん、タイムリーなよい本をまとめたね。

  <今、ロシアの人びとの生の声が日本医届かなくなっている、と馬場さんは懸念する。「日本も戦争に巻き込まれないとは言い切れない。戦時下に生きる人々の日常的なディテールを知ることでこそ、戦争の恐ろしさは伝わるのではないか」ウクライナ編も近く出版予定だ。>
 上記の本は、現代書館、2200円。