TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

「統一脳理論」を読む—『いち・たす・いち(中田力)』も最終章にきた

 自然科学の分野の博士号は「Ph.D」つまりDoctor of Phylosophy(哲学博士)というのに前から不思議に思っていた。学問は初めに哲学ありきだったのだ。

 引用したい。

 <実存は母なる自然の法則に従って登場し、母なる自然の法則に従って生命を生み出した。生命は母なる自然の法則に従って進化を続け、やがて、英知を生み出すヒトの脳が登場する。脳はその内在する母なる自然の法則に従って、芸術と哲学を生み出すと共に、母なる自然の法則を科学として探求することになった。21世紀の人類は、科学と芸術と哲学とが同一の法則により成り立つことを、初めて確信する人々となる。>

 以下、項目ごとにキーワードを引用する。

(1)原理に限りなく近い仮説 
 脳がどのように働くかは決定されていない⇒仮説
(2)脳の設計図
 大脳のニューロン群は表面を形成する皮質と呼ばれる部分に存在する。表面から垂直の方向に向かって六つの層を形成し機能単位としてのコラム構造を呈する。
(3)意識の根源
 意識の基本的な行動がニューロンのネットワークで説明しきれない事実は意識の根源がニューロン以外の要素を含んでいることを強く示唆している。筆者その実態を「LGS(latticle gas layer)」と名づけた。
(4)大脳チップ
 母なる自然の基本原理から考えると、大脳の基本構造は大脳全体で同一であるべきと考える。つまり大脳チップの概念である。
(5)こころの誕生
 <ヒトという種は、運動機能の制御装置の高度化(小脳)に成功しただけでなく、情報処理の制御装置の高度化(大脳)をも成し遂げた哺乳類である。

 脳は、決定論的に働くが修飾可能なニューロンのネットワークと、非線形でゆらぎを内在するLGSとの相互作用が、ELDERを介してその結びつきを保ちながら動的に活動する装置である。

 ここから、こころが生まれる。

 <コメント>
 最後まで一応は目を通したんだが結局は理解しきれない。脳についての「啓蒙」の本であるとは分かった。もっと読みたいので続編の『プラス・アルファ』を川崎市立図書館にリクエストした。