<病床の母に言えないありがとう言えば死ぬこと知られてしまう(宮城県 田所純一)>⇒永田和宏選;
<田に畑に鍬一筋の一生は燕来る日のこころ喜ぶ(浜松市 松井恵)>⇒馬場あき子選:
<椅子もろともリフトに吊られ湯舟に入る揚げ物の具になりたるここち(和泉市 長尾幹也)>⇒佐々木幸綱選:
<地下鉄の中で会釈を交わしおり名の出ぬことをともに秘めつつ(仙台市 沼沢修)>⇒高野公彦選:
今週も、奈良の山添さん親子、富山の松田さん姉妹、ほか常連の歌が載っていた。和泉市の長尾さんも、病の中で生きておられる。
<ウクライナの既婚の兵は冷凍の精子を残し戦地に向かう(三郷市 木村義 )⇒高野公彦選: こういうつらい歌を詠めるのだな、選ぶのだな?!
俳壇に移る。
<山笑ふランドセルから足二本(いわき市 佐藤朱夏)>⇒大串章、高山れおな共選:
<子の名刺両手で受けて山笑ふ(さいたま市 齋藤紀子)>⇒大串章 選: