累々とした墓石の名前を読んできた・・・・。ああ、人は必ず死んでいくんだな・・・。共に働いたK,O,N,K,H・・等々も多くが幽冥境を異にしてしまった。生きている時間はこんなにも短いと知った。こんなに短い生命なのにロシアとウクライナ、イスラエルとハマスの戦争が今も勃発している。人間とはなんだ・・・。
『城田俊 ハザール――幻の騎馬民族国家』の発行前の「素読み」の二回目を行っている。この書も戦争の物語である。
さて、本日は気になった新聞記事からかいておきたい。
「父は戦犯 演劇で向き合う」という記事が朝日新聞(夕刊)に載っていた。「戦争トラウマを追う」という連載記事4回目である。編集委員の大久保真紀さの署名がある。
<「呪われた家族だから血を絶やしたい」。演出家で俳優の渡辺義治さん(76歳)はこどもをもたなかった。幼いころ、父の愛治さんはたびたび夜中にうなされ、うめき声を上げて跳び起きた。脂汗を流し、ランランと目を光らせた顔は恐怖に引きつっていた。>
渡辺さんの父親は満州国の軍人でかつてあった。将校として「反満抗日」の中国人捕虜を捉えて殺した。後に関東軍の鉄道部隊の中尉となった。
戦争は殺された人たちだけでなく殺した人達の心も蝕んでいたのだ。その当人だけでなくその子の心にまでも影響を及ぼしている。
件の記事で紹介された俳優の渡邊義治さんは私と同年齢だ。私は他人事とは思えない。
「私たち家族の戦後の日々は中国で殺されたこうした人たちの苦痛、うらみ、憤怒、悲しみに覆われたひびだったのだ」
こう渡邊さんが述懐する。渡邊さんは戦争の記憶と記録に基づいた演劇、映画を作った。見てみたい。
「再会」
「地獄のDECEMBER(12月)ー悲しみの南京」
「ひとみ」(慰安婦がテーマ)
記憶と記録のために書いておいた。