TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

 「ゲノム編集治療 世界初の実用化 英米などで相次ぎ承認」の記事に寄せて

 「遺伝子治療」というキーワードには惹かれるものがある。
 本日(2024年1月17日、水曜日)の朝日新聞朝刊に、「ゲノム編集治療 生涯続く効果を期待 世界初の実用化 英米などで相次ぎ承認」ちう見出しの記事が載っていた。興味深い。引用しながらまとめておきたい。

<狙った遺伝子を改変する「ゲノム編集」技術を応用した世界初の遺伝子治療が、英国と米国で相次いで承認された。対象は血液の遺伝性疾患で、1度の治療で生涯効果が続くとされている。>

 遺伝子治療が実際に使われたのは随分前(多分、私が医学記者をしていた30年も前のことだったと思う。その頃から、対象は「鎌状赤血球症」ではなかったろうか?北大小児科で行ったのはどういうものだったろうか?調べてみたい。

 <この遺伝子治療は「CASGEVY(キャスジェビー)、一般名Exa-cel)」。」米企業「バーテックス・」ファーマシューティカルズ」とスイスの「クリスパー・セラピュウティクスが共同開発した。英国では昨年11月、米国では同12月、それぞれ承認された。>
 2020年にゲノム編集の技術「CRISPAR/Cas9(クリスパー・キャス9)」にノーベル化学賞が授与されたのはまだ記憶に新しいことだ。このブログでも、リケジョ(理科系女子)の快挙として紹介した記憶がある。この技術は、それまでの技術よりも簡単に、特定の遺伝子の機能を壊したり、逆に、遺伝子を修復して機能するようにしたりできる。遺伝子の病気に対する、根本的な治療法につながることが期待されいる。CASGEVYは、世界で初めてこの技術を医療に応用したものなんだという。

 英国での承認の対象は、「鎌状赤血球症」と「βサラセミア」の二つの病気だ。どちらも、赤血球に含まれて酸素を運ぶたんぱく質「ヘモグロビン」に異常が出る。重症の貧血や、手足などの強い痛み、臓器不全などの症状が出る。
 米国では「鎌状赤血球症」について承認され、今後、βサラセミアについても承認の可否が判断されることになる。
 治療の流れはこういのだそうだ。
 <まず、赤血球をつくる「造血幹細胞」を患者の骨髄から取り出す。次に、体外でゲノム編集をほどこして、特定の遺伝子が働かないようにする。すると、患者の造血幹細胞が特殊な赤血球をつくれるようになる。これを注射で体内に戻す。>
 臨床試験では、鎌状赤血球症の患者29人のうち28人が、治療後少なくとも1年、重度の痛みから解放された。βサラセミアでは、患者42人のうち、39人が治療後少なくとも1年、輸血が必要なくなったんだって。これまで、根治のための唯一の方法は、健康な他人の造血幹細胞を移植する「骨髄移植」だった。しかし、適合するドナーが見つかりにくいこと、合併症が起こりうることが問題だったんだという。

<コメント>
 最先端医療なので、新聞記事をまるごと引用しながら読んでみた。手順は記者が随分と簡単にまとめているがかなり難しい技術と思われる。それと当然ながら高額な医療費がかかる。米国では、患者一人当たり200万ドル(約3億円)ほどになるとされている。

 

続く